本当に業績を高めたいと思ったら、人の見方を変える必要がある

経営者の社員を見る見方、上司が部下やメンバーを見る見方がそれぞれの組織の状況や性格をほぼ決定づけてしまいます。

 

会社の状況や雰囲気を作っているのは社長ですし、部や課の状況や雰囲気を作っているのは部長や課長です。

 

もちろん組織の状況や雰囲気には部下やメンバーの方も関連していると思いますが、それぞれの組織の責任者の考え方やマネジメントが組織に対して多大な影響を及ぼしているのは明らかです。

 

メンバーは全く変わっていないのに、部長が変わっただけで部の様子が全く変わってしまうということはよくあることです。

 

もし自分がマネジメントしている組織に何らかの問題があるとしたら、社長・部長・課長など長である自分に何かが足りないと思った方がよいと思います。

 

4月は異動の季節でもありますが、あなたが人の上に立つ役割の方なら、自分の部下やメンバーをどういう見方で見るか、そしてどのようにマネジメントするかをこの機会にぜひしっかりと考えてみていただければと思います。

 

1.X理論とY理論

 

X理論、Y理論というのを聞いたことがあるでしょうか。

 

組織開発で有名なダグラス・マグレガーが、マネージャーが持つマネジメント観を二つに大別し、X理論とY理論と名付けました。

 

X理論を持つマネージャーは、人は生まれつき仕事が嫌いで、人には命令と監督が必要で、目標に達しない場合は罰則を与えることが必要だと考えます。

 

一方、Y理論を持つマネージャーは、人は自ら実現したい目標のためには自己統制を発揮し、個人と企業の目標が一致すれば、人は自発的に自分の能力を高め、創意工夫をし、自発的に行動すると考えます。

 

X理論を持つマネージャーは、指示命令のマネジメントが中心で、部下は非常に受動的になり、自分ではあまり考えず、指示待ちになる傾向があります。

 

Y理論を持つマネージャーは、部下に適切な目標と責任を与え、部下の力を引き出すようなコーチング的な関わり方をし、部下は主体的になりやすいということになります。

 

X理論のマネージャーとY理論のマネージャーとでは実際にはどちらの方のマネージャーが多いでしょうか?

 

感覚的には、X理論のマネージャーの方が多いのではないかと思います。

 

人はそのままにしていると主体的に考えて行動することはほぼ無いので、監視をしていないとサボるという不安や恐怖にさいなまれているマネージャーが多いということになります。

 

X理論のマネジメントは、指示や命令がどんどん強くなり、ますます部下は指示待ちになるので、マネージャーの指示・命令がおよぶ範囲でしか業績が上げられないという悪循環におちいってしまいます。

 

ある会社の社長さんは、勤務時間中に無駄をしていないか社員の行動を逐一監視して小言を言うので、社員がトイレに行くときも小走りで行くというパフォーマンスをしなければならない会社があると聞いたことがあります。

 

ちょっとそんな会社はつらいですよね。社員の方は当然短期間で辞めていくそうです。

 

なぜX理論の経営者やマネージャーが多いかというと、やはり業績を上げるということに関しては指示・命令が威力を発揮する部分もありますし、Y理論に基づいた対応よりも時間がかからないということが上げられると思います。

 

でも結局はX理論にもとづいたマネジメントをしていると、業績が伸びやかに拡大していくということはないはずです。

 

業績を拡大していくためには、指示命令をする上司とそれに従う部下の両方の人数を単純に増やしていくしかありません。

 

あまり効果的なマネジメントとは言えないでしょう。

 

マネージャーも部下もつらくなっていくマネジメントです。

 

2.Y理論に基づいたマネジメント

 

部下やメンバーの働く姿勢をX理論的にするのか、Y理論的にするのかは、経営者やマネージャーの部下やメンバーに対する見方やマネジメントの仕方にかかっているということになります。

 

私はやはり、「人は自ら実現したい目標のためには自己統制を発揮し、個人と企業の目標が一致すれば、人は自発的に自分の能力を高め、創意工夫をし、自発的に行動する」というY理論が、人間の本質あるいは本能を表していると思います。

 

やはり、本質や本能に従った方が、ものごとはスムーズに良い結果に到達するはずです。

 

ですから、会社や組織を伸びやかに発展させ、業績を拡大させていきたいと考えるならば、どう考えてもY理論に基づいた経営やマネジメントをしない手はないと思います。

 

それでは、Y理論に基づいた経営やマネジメントをするためには、経営者やマネージャーはどうしたらよいのでしょうか。

 

下記のような取り組みが必要だと思います。

 

①会社の企業理念や各部署の目標を明らかにし、その背景や意味を含めて部下やメンバーと共有する

②部下やメンバーが仕事や人生で何を目指しているのかに関心を持ち、感じ取るようにする

③会社や部署の目標と部下やメンバーが目指していることをどちらも活かす形で、仕事上のゴールを決める

④ゴールを達成するためにどんな行動をするか決める

⑤決めた行動を実行する段階で部下やメンバーの創意工夫を引き出す

➅行動した結果を一緒に振り返る(できたこと、できなかったこと、行動の途中で思ったことなど)

⑦ゴールを達成するための行動や経験から気づいたことや学んだことを引き出す

⑧気づき・学びを次のアクションに活かす

 

要するに目的を明確にし、部下やメンバーがどんなゴールを目指すのか決めた上で、PDCLサイクルを回せるように指導したり、支援するということです。

 

そして、そうした部下やメンバーが迷うことなく、スムーズに行動できるように、組織を安全で風通しの良い状態にする必要があります。

 

とくに必要な情報を共有したり、気軽に相談や報告ができたり、アイデアがちゃんと受け止められたり、時々一緒に飲み会で楽しんだりなど、コミュニケーションを通じて風通しの良い組織づくりを心掛けることも大切です。

 

組織は継続的なメンテナンスをしないと、ばらばらの状態になって、指示命令で動かすようになってしまいます。

 

組織のパフォーマンスを高めていくにはY理論を前提に、部下やメンバーが主体的に行動できるように絶えず気を配り、手間をかけていく必要があります。

 

部下やメンバーがスムーズに動けて力を発揮するような環境をつくることが、経営者やマネージャーの本来の役割と考えても良いと思います。

 

最近はプレーイング・マネージャーが多くなってきて自分でも業績を上げなければならないということもあると思いますが、自分の組織への弛まないメンテナンスを忘れないようにしてください。

 

まとめ

 

X理論とY理論の概念は、自分の組織を良い組織にしようと考えた場合にとても参考になる素晴らしい発明だと思います。

 

時間や余裕がなくなってくると、とかくX理論的なマネジメントになってしまいますが、そこをグッとこらえてY理論をベースにしたマネジメントを貫いてください。

 

Y理論をベースにしたマネジメントはある程度手間がかかりますが、最終的には持続的な業績向上に結びつくはずですので、根気よく取り組んでみてください。

 

将来の果実を夢見て、弛まない良い組織づくりをぜひ楽しんでください。

 

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