仕事の内容に不満はあまりない。
給料にも不満はあまりない。
忙しくて帰りが遅くなることもあるけれど、それもある程度は仕方ないと思っている。
でも「辞めたいなぁ」と、
- 起きた瞬間に体のダルさを感じながら考えることがあるのなら
- 毎日の通勤電車の中で考えているのなら
- 職場に入るときタメ息をついて考えているのなら
その「辞めたい」理由をはっきりさせるのが先決です。
「辞めたい」理由によっては、退職しない方があなたにとって良い場合もあります。
反対に今すぐ次へ進んだ方が良い場合もあります。
「辞めたい」という気持ちを否定する必要はありません。
まず、その理由をあなた自身が知った上で、本当に退職を考えるのか判断してほしいのです。
そこで今回は「辞めたい」あなたへ、退職を考えるときの理由と考え方をお話したいと思います。
1: 職場のストレス原因は人間関係

職場もそうですし、日常生活もそうですが、人が受けるストレス原因で最も多いのが「人間関係」です。
人間関係が上手く行っていると、他のことが少しくらい上手く行ってなくても、ストレス度も低くなりますし楽しく幸せな気持ちで生活できるものです。
このようなことが「エン・ジャパン」が2016年に行った調査ではっきりとしているので紹介しましょう。
この調査結果を見るとはっきりしているのですが、職場での退職理由の「本音」を語ると「人間関係」がスバ抜けています。
建前は「家庭の事情で」「体調が」「仕事の内容が」というのですが、本当のところは「人間関係」が原因なんですね。
だから、もしあなたが今「辞めたい」と考えていて、その原因が「あの人が苦手」ということだったとしても、それはごく自然な理由だということです。
あなたの性格の問題でも、心が狭いわけでもありません。
まずは「辞めたい」理由を、あなたが今感じているまま受け止めてみてください。
2: 人はネガティブに考えるのが得意

職場で多くの退職理由となるのが、「人間関係」からくるストレスだということをお話しました。
思い起こしてみると、その通りですよね。
仮に仕事が思うように進まなくても、教え上手な先輩や上司との関係性が良ければ簡単に解決できますしね。
でも、現実は職場の人間関係にストレスを持ってしまいます。
その理由として考えられるのは、
『人間はネガティブに考えるのが得意』
だからでしょう。
イメージしてみてください。
あなたが通勤している駅。
朝のラッシュ時間。
あなたにぶつかりながら、すり抜けていく知らないサラリーマン。
これ、ぶつかられたら、ムカつきますよね?
ひとことあやまれよ、と思いますよね?
「急いでいらっしゃるんですね、ぶつかっても仕方ありませんよね。」
とは即座に思考できないですよね。
このように人は「ネガティブ」な方向へ思考をするのが得意です。
そして「他人に対しては攻撃的」な一面を持っているものです。
で、ここで、あなたの職場を思い起こしてください。
職場に居る人たちは「他人」ですよね?
あなたと「価値観の違う人の集まり」ですよね?
あなたの考え方や想いが共有できていない相手ですよね?
本来なら、先のぶつかってきたサラリーマンへの感情と、同じような振る舞いをしてもおかしくない関係性です。
だって「他人」ですから。
でも、職場、会社という中に属しているため、価値観の合わない他人でも距離を取らずに、感情的にならずに、仕事だからと仕方なく関わることになっています。
そして、この無理な関わりが「ストレス」となって成長していきます。
3: 変えられないことを頑張らない

無理な関わりからくる「ストレス」を解消していくことができれば、それはそれで、職場での人間関係を保つことができるでしょう。
でも、多くの場合、職場での人間関係が一度ギクシャクすると、修復することは大変難しいと言えます。
これは先ほどお話しましたように「他人」であるため、心から歩み寄るのが難しいからです。
人は無意識に上手く行かない理由を「相手」の責任にしようとします。
これは仕方のないことです。
だから人間関係で生じた悪い感情も、お互いが「相手のせい」にしたいものなのです。
一方的に相手がこちらへ、悪い感情を投げつけてくることもあります。
でも、相手にすると、そうする理由があるんです。不思議ですよね。
ということを考えると、職場の人間関係は完全には修復できない、ということを覚えておくのがいいでしょう。
そこは大人同士ですから、建前上うまく付き合うことはできるでしょう。
でも、建前上うまく付き合っていても、相手の価値観や考え方を変えることはできません。
どこかにギスギスとした感じは残ってしまいます。
自己啓発でも言われることですが、私たちが他人を変えることはできません。
私たちが変えられるのは「自分」だけです。
だから、職場の人間関係でストレスが大きくなっても、建前上うまく付き合えるのなら、そこまででOKとしておきましょう。
それ以上、相手を「変えよう」「変わってもらおう」とすることは、ある意味で自分勝手な「おこがましい」ことでもありますから。
4: 無理に続けるリスクとは

- 建前上も、うまくなんて付き合えない!
- 24時間、あの人のことが頭から離れなくて・・・
- 身の危険を感じるようになった
- 家にいても、休みの日でも落ち着かない
- もう無理!
こんな状態になっているのなら、あなたの大切な体と心に良くありません。
このまま放っておくと
- イライラしやすくなり、良好な人間関係にも影響が出ます
- 感情的になりやすく、友人・知人に思わぬことを口走るかもしれません
- 不安になる時間が増え、落ち着かなくなり不眠症になることもあります
- 今まで興味のあったことも、全くやる気がなくなります
- どこにいても「ボー」っとして、集中できないことが増えてきます
- 自分が原因なんだろう、と自分を責め続けます
もし、こんな状態になったとしても、会社帰りや休日に発散できるのならいいですが、誰にも会いたくなくなり、一人で抱え込みがちになると危険です。
そうです。
あなたもご存じだと思います。
一般的に言われる「うつ病」を発症してしまうリスクが高くなります。
だから、こうなる前に「退職」という道を考えておくのは間違ったことではないのです。
5: 退職する?それとも続ける?理由と考え方

退職という道を考えるとき、理由と考え方を間違ってはいけません。
(1)人間関係
職場の人間関係が悪化し、建前での修復はできたけれど、実は
- 嫌がらせがある
- 同僚が辛く当たってくる
- 上司に苦しんでいる
- 足を引っ張ろうとする人がいる
- 良いところばかり横取りしていく人がいる
こんなことがあるのなら、退職し転職という道があります。
他人は変えられませんから、自分で変えられることをする。
自分で変えられることの中には「退職し、新しい職場へ行く」という選択肢があります。
(2)本当に人間関係ですか?
- いつも仕事が終わらない
- いつも仕事が多い
- いつも残業
こんな場合、人間関係がストレスの原因なのか考えてみてください。
良い先輩や同僚、理解のある上司なのに、自分だけが不満を持ち、愚痴を言っている人もいます。
会社の誰かに「愚痴」を言っているだけの段階なら、愚痴を言える人がいるのですから、人間関係がストレスの原因ではないかもしれません。
もう一度、自分の仕事のやり方などを見直してみることが必要です。
まだ「退職」を選ぶ段階ではないですね。
(3)とにかく激務で疲れた
「辞めたい」と思う瞬間があるでしょう。
でも、それは人間関係でのストレス(少しはあるでしょうけれど)が原因ではなく、激務で心身ともに疲れているからかもしれません。
すぐに「退職」を考えるのではなく、休暇を取ってみてください。
休暇中に「仕事したいな」と思う瞬間があれば「退職」の時期ではありません。
まずは「退職」よりも「休暇」。
休暇中に、これからのキャリアに関する相談を、アドバイザーなどにしてみるのもいいですね。
(4)辞めたいけれど迷惑が・・・
人間関係に疲れて辞めたい。
でも、自分が辞めたら業務に支障が出て、、、迷惑になるかも。
責任感の強い人ほど、こんな風に考えてしまいます。
でも、安心してください。
あなたの代わりが居ないために、業務が止まるのなら、その会社は「会社」ではありません。
単に何も経営を考えていない「個人商店」です。
本当にそんな会社なら「退職」した方があなたのためです。
でも、現実は、あなたが辞めても大丈夫。
あなたの代わりがいないことは、ありません。
ですから、そんな責任感は置いておいて、自分の将来を考えてください。
(5)もっともNGなこと
転職先を決めずに退職する。
目処も立てずに退職する。
これは注意してください。
あなたの職歴に「空白期間」が出来てしまいます。
空白期間に理由があれば良いですが、企業側はあまり良い印象を持ちません。
「人間関係が原因でもう無理だ!」
と思い、退職を考えたらキャリアアドバイザーや転職サイトを活用して、今よりもあなたにぴったり合った、あなたが活躍できる業種や職場を見つける手伝いをしてもらいましょう。
退職日に転職先が決まっていれば、これ以上に心強いことはありません。
退職の日にも、次への期待と優越感を感じて、気持ちよく颯爽と退職する職場と会社を後にすることができます。
6: まとめ
職場の人間関係は、いつの時代でもストレス原因の1位でしょう。
人が3人以上集まると派閥やグループが成立しますから、動物とはそういう生き物なのかもしれません。
知性の高い人間は本来、社会性を高め、コミュニケーション能力を駆使して上手に関係性を作れるはずなのです。
しかし、職場という大きな同じ目標を持っている集団にも関わらず、ギスギスとした人間関係に悩み、辛くなり、嫌気がさす。
そんな人が増えているのも事実です。
一口に「転職してみては」とは言えません。
でも、今回お話しましたように「人間関係」がどうしようもない。
人間関係が原因で、普段の生活にも影響が出てくる。
そんな場合は、「転職」という選択肢を考えてみましょう。
「転職」は「逃げる」ことではありません。
あなたがもっと活躍でき、あなたをもっと成長させてくれる理想の場所へ進むステップです。
まずは、あなたの長所や理想、キャリアの棚卸しなどをするために、キャリアアドバイザーや転職のコンサルタントなどを活用してみてください。
きっとあなた一人で時間と労力を使い、悩みながら進めるよりも、エレベーターが上昇するように、スムーズに理想のキャリアへ進めることでしょう。
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