㈱シンフォニック・バリューズの独自調査第2弾です。
今回は社会人の「スキルアップへの取り組み」や「自分磨きの傾向」に焦点を当てています。
アンケートの質問は、下記の3つです。
質問1:スキルアップのために現在取り組んでいること
質問2:スキルアップに取り組もうと思った理由
質問3:今後仕事の成果を高めるために、自分に一番必要だと思うこと
2,032名の方から回答を得ましたが、びっくりしたことに、何らかのスキルアップに取り組んでいる方は回答者の約2割(22%)しかいませんでした。
勤めている会社が伝統のある大企業であっても存続するかどうかは全くあてにならない時代なので、かなり高い割合で何らかのスキルアップを図っているものと思っていたのですが、ちょっと意外でした。
今後仕事の成果を高めるために自分に一番必要なことは何ですかという質問に対しても、約6割(61%)の方が「必要なことはない」と答えています。
調査結果をレポートします。
≪調査概要≫
アンケート対象者:20~40代の社会人
回答者数:2,032人
実施期間:2017年7月13日~7月25日までの約2週間
回答方式:質問1 選択式(複数回答可)、質問2 記述式、質問3 択一式
質問1:スキルアップのために現在取り組んでいること
質問1で、スキルアップのために現在取り組んでいることをお聞きしましたが、結果は下記グラフのとおりです。
【質問1:スキルアップのために現在取り組んでいること(回答数)】
- 現在取り組んでいることはない 1581
- 資格取得の勉強 146
- 専門知識を習得するための勉強(法律、会計、技術など) 126
- ITスキルの習得 121
- 語学 92
- 自己啓発 86
- その他 31
やはり特徴的なのは、回答者の78%の方がスキルアップには何も取り組んでいないということです。
取り組んでいる方は、資格取得、専門知識の習得、ITスキルなどに取り組んでいるケースが多く、やはり仕事に直結するスキルアップに取り組んでいる傾向が見えます。
スキルアップに取り組んでいない人の割合が高い理由としては、会社業績や業務の状況が厳しく、将来に向けたことに対して時間を使う余裕がない、会社から仕事に求められる水準がスキルアップを必要とするレベルではないということも考えられますが、一方で景気も悪くなく、働き方改革で勤務条件や労務環境が改善する兆しが見え、危機感が以前よりも薄れているということもあるかもしれません。
ただ、今回の調査ではそこは検証できていないので、今後の課題としたいと思います。
質問2:スキルアップに取り組もうと思った理由
スキルアップに取り組んでいる方の、スキルアップに取り組もうと思った理由についてお聞きしました。
回答結果を集約すると、下記のグラフととおりです。
【質問2:スキルアップに取り組もうと思った理由(回答数)】
- 給与などの処遇改善のため 42
- 自分を高めるため 34
- 仕事で必要があるため 32
- 将来に備えて 23
- 興味や関心があったから 22
- スキルアップのため 21
- 転職のため 15
- 資格取得のため 6
- 時間があるから 3
- モチベーション維持のため 2
「給与などの処遇改善のため」という回答が一番多く、続いて「自分を高めるため」、そして「仕事で必要があるため」、「将来に備えて」という回答の順になっています。
現在の仕事に直接結びつくスキルアップと、長期的に考えた自身のレベルアップが半々ぐらいの理由になっています。
質問3:今後仕事の成果を高めるために、自分に一番必要だと思うこと
質問3で、今後仕事の成果を高めるために、自分に一番必要だと思うことは何ですかという質問をしていて、現在の自分のスキルの足りない部分をお聞きしています。
回答結果は下記のグラフのとおりです。
【質問3:今後仕事の成果を高めるために、自分に一番必要だと思うこと(回答数)】
- 必要なことはない 1,240
- 情報収集力・分析力 216
- 状況を判断し、決断する力 112
- 粘り強い行動力・実行力 109
- 実現すべきことを発想する企画力・構想力 83
- 自分の行動や経験から学び次に活かす力 64
- その他 62
- 計画やアクションプランを設定する力 59
- お客様、上司・同僚、取引先などを巻き込んでいく影響力 52
- 行動した結果の検証力 35
約6割(61%)の方が「必要なことはない」と答えているのが特徴的です。
必要と感じている項目の中では、「情報収集力・分析力」「状況を判断し、決断する力」「粘り強い行動力・実行力」などが上位に来ていて、行動に踏み出すための能力や踏み出した後の行動力や実行力に課題を感じている方が多いようです。
まとめ
今回の調査で、回答者の約8割が「スキルアップに現在取り組んでいない」、そして約6割が「仕事の成果を高めるために自分に必要なことはない」と答えています。
今回スキルアップの対象として、「インターネットやSNSでの情報収集」や「人脈の構築」などは入れていなかったので、スキルアップに現在取り組んでいないという答えが高めに出た可能性があります。
「仕事の成果を高めるために自分に必要なことはない」という答えが半分以上に上っていることにはやや危機感を感じます。
完ぺきな人間はいませんし、誰しも成長の余地は持っていると思いますので、もし現在の自分に課題が見つからない場合は、上司などに率直に自分に期待することやもっとこうなって欲しいということがないか聞いてみるとよいでしょう。
もし、そうしたことを話せる上司がいない場合は、ビジネス・コーチやキャリア・カウンセラーなどと話してみると課題が見つかるかもしれません。
自分にはもう改善するところがないと思った瞬間から衰退がはじまるのは、国や企業、人間に共通していると思います。
やはり、本当の意味で自分のレベルアップを図るためには、自分の本当の願い(「自分が本当にやりたいこと」や「なりたい自分」など)を明確にし、それを軸に今の自分の状況を照らし合わせて見ることがとても大事です。
できれば仕事をする中でスキルアップが図れるように考えてみてください。一番効率的だと思います。
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