履歴書に続いて転職活動に必要な書類というと
「職務経歴書」
10年、20年前なら職務経歴書は重要視されていませんでした。
IT業界で重宝されていたくらいでしょうか。
しかし、現在、そんなことを言ってはいられません。
転職を成功させるには
- 履歴書
- 職務経歴書
- 面接
この3つに一貫性があり、きちんと準備が出来ていないと、自分の思っている会社へ転職できる可能性が激減します。
そこで今回は、履歴書と一緒に送ることが多い「職務経歴書」についてお話していきます。
(履歴書の書き方についてはこちらを合わせてご覧ください。)
1: 職務経歴書とは

職務経歴書と言われても良くわからない。
特に転職経験のない正社員の方はそうかもしれませんね。
派遣社員の方は、派遣先が変わるときに職務経歴書を作ることがあるので、何となくイメージがあるかもしれません。
職務経歴書は
- A4用紙
- 1~2枚
- 自由な様式
に自分について書いた情報です。
たったこれだけのものなのですが、応募先の担当者にとっては履歴書と並んで重要視しています。
では、職務経歴書のどこを重要視しているのかというと
「応募先が求めている、能力や経験を持っているのか」
ここを判断するために重要視しているのです。
履歴書と職務経歴書を応募先の担当者が受け取ったときをイメージしてみてください。
担当者は、まだあなたについて何も知りません。
ビジュアルとしては履歴書の写真だけが頼りです。
写真から受ける第一印象から
- まじめそうな人かな
- 元気がよさそうだな
- ちょっとうちには合わないかも
そんな印象を持った後、職務経歴書の内容と第一印象が一致するのかどうかを判断します。
ここで大きな隔たりがあれば、良い意味でフックになることもありますし、反対にマイナスイメージになることもあります。
履歴書での第一印象を使って、如何に自分をより良く自己アピールするか。
この部分の役割を職務経歴書は担っています。
2: 職務経歴書はセールストーク

転職とは「労働市場」というマーケットから、自分の理想の仕事を得ることです。
仕事を得ることは、商品を売ることと同じですから、転職では自分という商品を売り込まないといけません。
自分の
- 経験
- 能力
- 長所
- 強み
- 価値観
このようなことを、応募先の担当者へ文章でセールスする必要が出てきます。
セールスするために、職務経歴書を作ると次のような効果が期待できます。
(1)職務経歴書で期待できる効果
自分の売りを見つけるために、自己分析を行いますが、そのときに今まで自分では気づいていなかった良い点や価値観を見つけることができます。
(2)自信が持てる
良い点や価値観、弱い点や改善するポイント。
この部分が明確になると、自信が今まで以上に持てるようになります。
良い点は、アピールポイントになります。
弱い点や改善ポイントは、努力のアピールにもなります。
どちらにしても、自分のことを客観的に知っていることは、他の人の言動や行動に影響されにくく、ブレない自分を持つことができます。
(3)応募先目線での提案
セールストークに必要なことは、相手目線です。
自分が売りたいことばかり話しても、相手は横を向いて聞かなくなります。
ですから、必要なのは相手目線で提案することなのです。
- 応募先に貢献できること
- 長所で役立てること
- 能力で利益を生み出せること
「あなたにとって得になります。」
この「あなた」という視点を身につけることができます。
(4)応募先がより明確になる
あなたを売り込むセールストークである職務経歴書を作ると、応募先のことを調べることにもなります。
漠然と応募するのではなく、
- どんな会社なのか
- 何が欲しいのか
- どんな経歴が目を引くのか
「応募先=誰」にフォーカスしますから、応募先だけに合わせた職務経歴書が完成するでしょう。
(5)より良く伝える
職務経歴書を作ると、より魅力的に、より良く自分をアピールする表現力が身につきます。
また、文章にも工夫するようになりますから、読みやすくわかりやすい文章に進歩していきます。
(6)面接の対策
職務経歴書は面接の対策でもあります。
職務経歴書に書かれたことから、応募先の担当者は、より深く質問してくることでしょう。
でも、安心です。
すでに十分に自己分析を行い、自分のことを整理してありますから一貫性のある話しを、いつでもどんなシーンでも、自信をもったままおちついて答えることができます。
あなたを売り込むセールストークである職務経歴書を作ることは、転職活動を通して新たなキャリアを見つけることにもつながるでしょう。
3: 職務経歴書を作る前準備

職務経歴書を作るには、準備が必要です。
単に調べるだけのことと、少し時間を使って分析することの2つがあります。
(1)単に調べるだけのこと
自分の職務経歴とスキルを振り返りましょう。
ここは感情的なことではなく、事実だけを振り返りましょう。
- 時期
- 役職の変化、配属の移動
- 勤務先
- 会社概要
- 所属と人数
- 役職
- 職務の内容
- 実績や成果(表彰などがあるとわかりやすいですね)
- 能力を身につける努力の経験
ここは事実を振り返えれば良いので、日記や業務日誌などをつけていると、ペラペラとページをめくっていくだけでわかります。
(2)自己分析
こちらはすぐに終わらないですね。
自分自身を向き合い、自分の
- 長所
- 短所
- 強み
- 弱み
- 能力
こういったことを、客観的な視点で分析していってください。
自己分析は、自分一人だと進まない。
そういう人もいます。
無理に一人で自己分析を行うと、主観的に判断してしまい、いざ応募の段階になって
- ○○ができます!
- ○○が得意です!
- ○○もできます!
という自分視点での売り込みになることも多いです。
自己分析をはじめて
「これは、自分一人ではすすまない」
そう感じたら、時間を無駄にすることなく、キャリアアドバイザーなどに相談し活用していきましょう。
(自己分析についての詳しいことは「元人事担当者が語る、転職成功の秘訣。自己分析のやり方と注意点」を参考にしてください。)
4: 職務経歴書の作り方

職務経歴とスキルの振り返りと自己分析が終わったら、これらの情報から応募先に合わせた内容を決めます。
応募先が興味を持つものを選んでいくということです。
そこまで出来たら、実際に職務経歴書を作っていきます。
(1)用紙と書き方のポイント
用紙はA4白無地の紙を縦(または業種によっては横)にして記入します。
記入にはパソコンを使い、横書きにするのが一般的で読みやすくレイアウトになります。
職務経歴書は2~3ページくらいにまとめましょう。
長すぎると読みにくいですし、応募先が興味を持つ部分だけを要点とするのが好ましいため、ページ数は少なくするのが良いですね。
文字の大きさは10.5pt~12pt。
行間や文字間は詰めすぎない方が読みやすくなります。
(2)メリハリが大切です。
タイトルや見出しは強調文字でポイントも少し大きめに。
フォントは全体を通して統一するのが「出来るビジネスマン」らしい印象になります。
1文は長すぎないように「。」で分割しましょう。
また箇条書きを使うと、読み手が理解しやすくなります。
(3)形容詞は使わない
文章は「名詞」と「動詞」を意識しましょう。
「○○を担当しました。」
というように、具体的に短いのがわかりやすい文章です。
(4)必須の記載項目
- 標題
- 氏名
- 日付
- 希望の職種
- 職務経歴
この5つは必須です。
忘れずに記載しておきましょう。
(5)自己アピール
職務経歴を書くときに、自分をアピールするポイントを追加します。
「○○年で販売実績を○%アップし、前年対比で○%増を達成」
こんな風に、嫌みになりすぎないように、自然な流れの中にアピールを入れてください。
(6)活かせる能力、志望動機
職務経歴書の下部に「活かせる能力」や「志望動機」を書いて問題のない応募先なら、ここに自己PRを記載します。
- どんな能力を持っているのか
- その能力を使うことで、応募先にどんなことが実現するのか
- なぜその能力を身につけたのか
- 身につけることで得たことは
- 自分を応募先が採用することで得るものは
自分の職務経歴とスキルの振り返り。
自己分析の結果。
この2つの準備が最大限に活用できるのが、この部分です。
そして、応募先の担当者が「会ってみたい」と思うかどうかも、この部分にかかっています。
時間をかけた自己分析を、惜しみなく使ってください。
5: まとめ
職務経歴書は、転職活動になくてはならない書類です。
この書類から応募先の担当者は
- 役立つ職務経験があるのか
- 役立つ能力を持っているのか
- なぜ選んだのか
このようなことを見極めようとします。
これは意地悪をしているのではなく、応募先は採用に関してリスクを最小限にしようとしているだけなのです。
ミスマッチの人を採用すると、時間も経費もお互い無駄になります。
企業としても、ミスマッチの採用はゼロにしたいものです。(ゼロにはなりませんが・・・。)
リスクを取ってまで採用することは、ほとんどの企業でありません。
このリスクを回避するために応募先は、職務経歴書をきちんと作ってくる人を待っているのです。
ですから、まずは等身大の自分をアピールする職務経歴書をきちんと準備して作ってほしいのです。
もし、準備段階の自己分析で手が止まってしまう。
そんな場合には、キャリアカウンセラーや転職アドバイザーなどに相談してみてください。
自分だけでは見つけにくい、新しい視点からアドバイスをもらえると思います。
まずは丁寧に、きちんと準備して、職務経歴書を作ってください。
コメントを残す