厳しい職場だから、良い人材が集まってくる?

 

これは仕事でお世話になった人たちと会食していたときに、ある女性から聞いた言葉です。

 

「私がアルバイトで働いていた職場はとても厳しかったので、良い人たちが集まっていました。」

 

一瞬「えっ」と思いました。

 

彼女は地方の国立大学に合格していたのですが、大学に行く意味を見つけられず、大学に行かない選択をしました。

 

そして、最終的には東京で働くために、地方々で働きながら少しずつ上京するという方法をとりました。

 

上京するまでに働いたアルバイト先の一つが、先ほどの厳しい職場があった全国展開のカフェ・チェーンでした。

 

厳しいところやきつい職場からは人がいなくなってしまうという先入観が強かったので、「厳しい職場だから、良い人材が集まってくる」という彼女の言葉にはすごく違和感を覚えるとともに、とても興味がわきました。

 

1.厳しい職場って?

 

彼女の言う「厳しい職場」というのは、こき使われるとか、社員さんが理不尽なことを言ってつらいとかではなく、仕事の完成度にとても厳しかったということでした。

 

自分が任せられた仕事は完ぺきにこなすというのは当たり前で、さらに先回りで気の利いた準備をして、次のシフトの人に引き渡すのが最高にかっこいいという風潮があって、「仕事ができないことがはずかしい」という雰囲気が職場全体にあったようです。

 

ですからアルバイトとはいえ、目指す水準が高く、ただお金を稼ぎたいと思って入ってきた人やサボるような人は自然とやめていき、まじめで向上心の強い人材だけが残っていくという状態にあったようです。

 

そういった職場は、仕事は結構きつかったけれどもみな協力し合ってとても充実し、楽しく、その楽しさが仕事を続けさせたそうです。

 

そして、みな根っこの部分が似ているので、プライベートでも仲が良く、よく遊びに行ったりして、とても思い出に残る楽しい青春時代を過ごしたとのことです。

 

カフェの仕事は決して面白いものとは言えず、単純な作業なのに、とても充実していたというのは仕事へ取り組む意識の違いや周りの人からの影響で、職場の状態は大きく変わってくるのだなとあらためて思いました。

 

2.なぜ、みんなが完成度の高い仕事を目指すようになったのか?

 

不思議なのは、なぜみんながそんなにモチベーション高く、完成度の高い仕事をしようと思うようになったかです。

 

ある意味、理想的な職場ですよね。

 

その彼女に聞いてみると、とりたててマニュアルが意識を高めるものではなくごく普通のものだったようですし、特別な研修があったわけでもなく、社員さんが厳しく指導したというわけでもなかったようです。

 

ただ一つ言えるのは、開店当時からいた大学生の女性アルバイトの先輩(彼女よりも年下)が、真剣に仕事に取り組んでいて、その人に周りが引きずられていたということです。

 

その大学生は「本気」だったんですね。責任感が強く、面倒見が良く、冗談も言えるようなとてもバランスの良い女性だったそうです。

 

その「本気」が周りに伝わり、みんなが完成度の高い仕事を目指すようになり、熱意のある人材だけが残るようになり、仕事はきついけれども充実していて、プライベートも一緒にいて楽しいという好循環な組織が自然とつくられていったのだと思います。

 

もともと仕事にしっかり取り組む組織風土があったカフェ・チェーンだったかもしれませんが、ある「本気」で取り組むアルバイトが開店当時からいたことで、さらにモチベーションの高い組織になっていったのではないかと思います。

 

「本気」の人の影響力は素晴らしいですね。

 

アルバイトであっても仕事に対して「本気」なって、責任をしっかり感じながら取り組める人たちがたくさんいるのですね。

 

3.お客様への意識

 

私は、こうしたモチベーションの高い組織はお客様へのお役立ちの意識が高いため、そういう組織になったのではないかと思い、その女性に「お客様に対しては何か意識していたことはありましたか」と聞いてみました。

 

すると「お客様ともフレンドリーに対応していましたが、今考えると意外と意識はしてはいなかったように思います」という答えが返ってきました。

 

ただみな真面目なので、マニュアルに従って行動しているうちにお客様にとってはこうするべき、というのを学んでいったようです。

 

たとえば、コーヒーをこぼしてしまったお客様には「ケガや火傷はないですか?」と確認して、すぐに新しいコーヒーをお持ちする。

 

あとは、お客様を待たせてはいけないとか自分がホールにいたらお客様が下げようとしている食器を受け取ってあげるとか。

 

基本的に常識や思いやりのあるスタッフが多かったので、やっているうちにそれがお客様のためになっていることはどのスタッフも気が付いていたようで、知らず知らずのうちにマニュアル通りの行動でも心がこもっていったようです。

 

あとは、みんな愛想がよくて常連さんも多いお店だったのでお互いに親近感があり、自然な形でお客様を大切にしていたみたいですね。

 

「うちの孫に似ているから。頑張ってね」とお年玉をいただいたこともあったそうです。

 

まとめ

 

モチベーションが高く、生産性の高い組織をつくることは、経営者や組織開発を担当している人にとっては永遠の課題と言えるかもしれません。

 

意図してなかなかそうした組織はできるものではないですが、同じカフェ・チェーンのスターバックスではそこで働いている人たちが生き生きしているのが感じとれますし、それは手厚い研修などをとおして実現できているのだと思います。

 

ただそこには、お金を稼ぐという目的だけではない、「お客様に落ち着いた時間を提供する」「仲間に迷惑をかけない、先回りした完ぺきな仕事をする」などの目標があり、その目標に対して「本気」で取り組む人が影響し合うことによって、素晴らしい職場が生まれ、良い人材を惹きつけているのだと思います。

 

できれば、「本気」で仕事をしている人たちの職場で働きたいですよね。

 

そして自分も「本気」になることができ、仕事で充実感と、仲間との楽しさが感じられたら最高ですね。

 

「本気」という厳しさに、良い人材は引き寄せられるようです。

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