皆さんは、ジョギングなど長距離を走ることは好きでしょうか?
これが結構嫌いな方が多くて、マラソンをやっているなどと言うとどちらかというと「何で?」という感じで怪訝な顔をされることが多いですね。
やはり、学生時代に持久走や校内のマラソン大会などで苦しい経験をしたことが理由で、長距離を走るイコールきつい、二度とやりたくないという人が多いのではないかと思います。
42.195㎞のフルマラソンなんて考えられないという人もたくさんいますし、私も以前は長距離を走るは苦しいというイメージしかなかったので、どちらかというと避けていました。
ただ、社会人になってから24時間テレビなどで芸能人の方が走っているのをみているうちに、いつか自分もフルマラソンに挑戦してみたいと徐々に思うようになりました。
私の場合体調維持のため時々ジョギングはしていましたが、10㎞の大会や、20㎞の大会などを経験して、2回フルマラソンの大会に出場しました。
やはりフルマラソンの距離は気楽に走れる距離ではないので、トレーニングには自ずと真剣に向き合わざるをえなくなります。
トレーニングのやり方を調べ、実践する中で、下記のようないろいろなことわかってきました。
- エントリーするとカチッとスイッチが入る
- 途切れのないトレーニングが必要
- 本番までのトレーニングは3段階に分ける:量と質は同時に上げない
- 限界一歩手前の強度をキープする
- 休みを積極的に入れる
- しっかり走れるようになると生きがいになる
このことについて、今回は書いてみたいと思います。
目次
1.エントリーするとカチッとスイッチが入る
今は当然、全国で開催されるいろいろなマラソン大会にネットから申し込みをすることができます。
そしてこの申し込みをすると、私の場合「カチッ」と音がするくらい、自分にスイッチが入ります。
この感覚は何なんでしょうか。エントリーする直前と直後では全く心境が違います。
エントリー直後には、好むと好まざるとにかかわらず、本気モード、戦闘モードに入ってしまいます。
「やるぞ」という闘志が湧いてくる感じです。
何かに向かっていく意識がとても高まるんですね。
特に完走できればいいやという感じではなく、自分なりに4時間を切るなど少し欲を出すと、不思議なくらい真剣になるものです。
2.途切れのないトレーニングが必要
フルマラソンの場合、一般的には6か月前ぐらいからトレーニングなどの調整をすると良いと言われています。
プロの選手もフルマラソンのレースを見すえて、6カ月間トレーニングをしてレースを迎え、レースが終われば少しトレーニング量を減らして身体を解放し、また次のレースに向けて6か月前から調整してレースで戦える状態に持っていくということを繰り返しているようです。
この6カ月間、基本的にトレーニングは途切れてはいけないということです。地道に積み上げているということを続けなければなりません。
もちろん定期的に休みを入れていくことは良いのですが、けがをしてしまったり、インフルエンザにかかってしまったりして、1週間とか2週間とか休んでしまうと、それを取り返そうとして無理をして、大会当日に体調をピークに持っていけなくなるということも多く、トレーニングは計画的に途切れずに続けることがとても大事です。
トレーニングが途切れないように、故障したり、病気になったりしないように細心の注意を払うということですね。
そうしないと、レース直前に自分が理想とする状態に、身体が積みあがっていかないのです。
3.本番までのトレーニングは3段階に分ける:量と質は同時にあげない
先ほど、通常6カ月前からトレーニングを始めると伝えましたが、この6か月間のトレーニングは、3段階ぐらいに分けるとよいと思います。
最初の2カ月は、フルマラソンを走り切るための土台をつくるために、ゆっくりしたスピードでなるべく長く走れるトレーニングをします。
ゆっくり走っていても距離を積んで脚力がついてくると、自然と以前よりも速く走れるようになります。でもそこは我慢して、ゆっくりしたスピードで距離を稼ぐようにします。
それを2カ月間みっちりやったら、つぎの2カ月間は距離は伸ばさずにスピードを徐々に上げて走れるようにします。
最初の2ヶ月間は距離(量)に徹し、次の2ヶ月間は距離(量)は増やさずに、スピード(質)を上げる。
距離(量)も増やして、スピード(質)も上げるということは同時にしないということです。
なぜか。
量と質を同時にあげると身体に負荷がかかりすぎて、故障したり、疲れから体調を崩したりすることが多いからです。
どんなに調子が良かったとしても、ここを我慢するのがとても大事です。
なぜなら、最初にお話ししたように、故障して休まなければならないという事態を起こすことが一番やってはいけないことだからです。
そして、最後の2カ月間は、レースに対応できることを意識して、自分がレースで想定しているスピードで、20㎞とか30㎞とかを走れるように何本か試走してみます。
そして、レース直前の1週間ぐらいは今までのトレーニングの疲れを抜くためにトレーニングの量をぐっと落として、当日走りたくてうずうずするぐらいに気力と体力を高めるようにします。
故障や病気を避けて、トレーニングは量と質を同時にはあげないように丁寧に段階を踏んで、自分の状態をピークに持っていくということが、とても大事です。
4.限界一歩手前の強度をキープする
3.の段階的なトレーニング計画に基づいて、トレーニングをしていくわけですが、日々のトレーニングの強度、負荷と言ってもいいと思いますが、それはどう考えたらよいでしょうか。
強度や負荷が高い方が心肺機能や脚力を引き上げるには良いわけですが、やはり故障したり、体調を崩したりすることを避けるということからすると、今の自分の限界ギリギリ一歩手前の強度ということになると思います。
限界に近いぐらいなんだけれど、ちょっと余裕があるという感じで、限界を超えない、調子が良くてもやりすぎないということです。
淡々と続けられる強度の上限と言ってもいいかもしれません。
感覚的で申し訳ありませんが、限界ギリギリ一歩手前の強度でトレーニングしているとやや負荷が弱いように思うかもしれませんが、その強度で続けていると身体の器が広がって、自分の能力の限界ギリギリの上限が高まっていきます。
それを繰り返し、積み上げていくと、能力が上がっていくということです。
過ぎたるは及ばざるがごとしで、途中で破綻しない強度でのトレーニングを続けるのがベストだと思います。
5.休みを積極的に入れる
6ヶ月というある程度長い期間トレーニングを積んでいくわけですが、定期的にかつ積極的に休みを入れていくということが大事です。
たとえば、3日続けて走ったら1日休む、あるいは6日続けて走ったら1日休むなど休みを入れた方が良いということです。
休みを積極的にいれると、休む前の状態よりも休み明けの状態はグンと能力が上がると言われています。
トレーニングしっぱなしよりも、休みを入れた方がブレークスルーが起こるようです。
これをマラソンの専門家は「超回復」と呼んでいます。
脳と関係しているのかもしれませんが、メリハリが大事なようですね。
6.しっかり走れるようになると生きがいになる
マラソンをする人の中には、走ることが「生きがい」になっていると発言する人が結構います。
私もマラソンのトレーニングをしていて、徐々に心肺機能が高まり、脚力がついて、以前よりもしっかり力強く走ることができるようになると、とてもうれしくなり、何とも言えない充実感を感じます。
自転車をグングンこいでいて、ある一定以上加速すると気分が高揚してくるような感じですかね。
こんなところから、マラソンに本気で向き合うことが生きることに張りを与えて、「走ることは生きがい」と言ってはばからない人が多いのかもしれません。
さて、私の2回のフルマラソンの結果は、1回目は完走をめざして、1㎞6分30秒ぐらいのかなり余裕のあるペースで走り、4時間40分ぐらいで完走。
2回目は、4時間を切ることを目指して、1キロ6分を少し切るペースで走っていましたが、35キロ過ぎにエネルギーが切れたのか足が前に出なくなり、とんでもない苦しさを覚えながらなんとか完走しました。
その時のタイムは、4時間19分だったと思います。
まとめ
今回、フルマラソンに挑戦するトレーニングに取り組む中でわかったことについてお伝えしました。
ただ、これは仕事にもとても参考になるのではないかと思います。
下記のような言葉に置き換えられるのではないかと思います。
- 自分の意思でこれをやると決めると、本気モードになれる。
- 仕事はコンスタントに切れ目なくやることに価値がある。けがや体調不良で仕事に支障をきたすことはNG。
- 長い目でみて仕事のパフォーマンス能力を上げていこうと思ったら、量をこなす時期と質を上げる時期をうまく組み合わせながら成長していくとよい → 守・破・離
- 仕事を一生懸命やるのはよいが、限界を超えた働き方はしない。限界を超えて体調不良に陥る可能性があったら、労働負荷を思い切って落とす。
- 自分の成長のためにも、積極的に休みを取る。
- 自分の力で成果を出せるようになると充実感が高まる。
どうでしょう?
フルマラソンへの取り組みは、仕事への取組みの参考になりませんか?
マラソンに本気で取り組むことで生きがいを感じる人が多いように、仕事に本気で取り組むことを生きがいに感じる人が増えるといいですね。
ビジネスアスリートを目指したいものです。
コメントを残す