転職活動で自己分析が重要なことはご存じでしょう。
やみくもに面接の練習をしたり、履歴書の書き方を覚えたり、職務経歴書の書き方を習っても、自己分析が出来ていないと意味がない。
あなたもご存じのことだと思います。
では、自己分析において重要なのは何かというと、就活のときにも頭を悩ませたかもしれない「強みと弱み」です。
「強みと弱みは、もう考えたくない!」
そんな人もいるのではないでしょうか?
しかし、転職を考え活動すると、強みと弱みから逃れることはできません。
じゃあ、就活したときの強みと弱みを使えばいいかも、、、。
そう考える人もいるのでしょうけれど、転職のときに必要な強みと弱みは、新卒の就活とは違うんですね。
ここはひとつ、自己分析の基礎となる「強みと弱み」を見つけることに力を使ってみませんか?
1: なぜ強みと弱みを転職先は聞くのか

どうして転職の応募先は「強みと弱み」を聞いてくるのでしょうか。
できれば聞かないで、そっとしておいてほしいな。
そう感じている人もいることだと思います。
でも、残念なことに、主に面接官が
- あなたの強みは何ですか?
- あなたの弱みは何ですか?
と、聞かないことは、まずありません。
そこで、あなたに少し考えてみて欲しいのですが、どうして面接官は聞いてくるのでしょう。
もし、あなたが面接官だったら、なぜ「強みと弱み」を聞きたいと思うでしょう。
(1)客観性が持てるのか
「強みと弱み」を見つけることは、自己分析の基礎です。
しかし多くの人が「簡単ではないよ」と思うところです。
これはなぜなのかというと、強みと弱みは、第三者の視点で見る必要があるからなんですね。
自分の主観で
- これができる
- あれができる
- それが得意
という見方ではなくて、自分自身を客観的に見る必要があるから。
客観的に見ることで、
- 何に対して、何をすれば、自分の強みが生かせるのか
- どうすれば弱みを克服できるのか
この2つを理解することができ、対策まで見極めることができるからなんです。
客観的に自分を見られるということは、人とのコミュニケーションで有利に働きます。
このような人は、相手の意見が自分の意見と同じでなくても、相手を否定することなく客観的に相手の意見を聞けるため、一度相手を受け入れ、円滑にコミュニケーションを行う能力に長けていることが多いのです。
だから、面接官は「強みと弱み」を聞くことで、自分の前に居る人物は客観性を持って、自分自身を見ることができる人物かどうかを判断しているのです。
(2)相性の確認
面接官は、自分たちの会社にあなたが適切かどうかを判断しないといけません。
もし、あなたが
- チームプレイが得意
- コミュニケーションを密にし、毎日ミーティングを欠かさない
こんな強みだったとしましょう。
しかし、転職先の社風が
- 個人プレー重視
- ミーティングは週に1度15分だけ、それもスカイプで
だったとしたら、あなたの強みは転職先で生きてきません。
ここを無視して転職したとすると、完全なミスマッチです。
転職先の会社も、あなたも、お互いにストレスを溜め、仕事が円滑に進まないかもしれませんね。
面接官は、こんな残念な結果を避けたいのです。
いくら本人のパフォーマンスが高くても、社風にあっていないとパフォーマンスは空回りします。
空回りすると、職場に馴染めなくなり不平不満の温床に。
だれもが嬉しくない状況を少しでも作らないために、強みと弱みはもっともわかりやすい要素なのです。
2: 強みと弱みを見つける意味とメリット

面接官がどうして「強みと弱み」を聞くのか、その理由がわかっていただけたと思います。
では、そのためだけに「強みと弱み」を見つけるのかというと、そんなことはありません。
「強みと弱み」は、あなたにとっても大事なことなのです。
(1)弱みこそ自己分析力をつける
「弱み」を見つけることは「強み」よりも勇気がいります。
しかし弱みこそ、あなたの自己分析力を高めてくれるポイントです。
どういうシーンで、どういう能力が足りないのか。
その結果、苦手なことは何なのか。
これを見つけることは勇気がいります。
自分が一番気にしたくないことですからね。
でも、あなたの苦手なことを、得意とする人もいるんです。
その人と自分は何が違うのか。
その人はどうやって、自分が苦手なことをやっているのか。
ここを考えると、弱みについて深く分析できます。
そして、弱みを見つけることは、自己分析力を高め、克服と改善ができるメリットを手に入れることにもつながります。
(2)意識していない強みが見つかる
強みと弱みを見つける意味は、今の自分にとって「当たり前」となっていることを棚卸しすることにつながります。
人は「当たり前」になっていることは、無意識で行っていますから「強み」でも「弱み」でもないことに分類されることが多いです。
しかし、この中にあなたにしかない強みが隠されているのです。
- コミュニケーションが得意
- ストレスに強い
- 地味な仕事だけど知識が豊富
- 仕事の進め方が上手い
- スケジューリングが得意
- 問題解決が得意
このようなことは、無意識でやっているからこそ、時間や労力を掛けずに出来ています。
ここを掘り起こすことは、強みを見つけるメリットです。
(3)企業に合ったアピールができる
これは地味ですが、転職には必要なメリットです。
強みと弱みを分析して見つける過程で、さまざまな悩みや新しい発見をすることでしょう。
その積み重ねによって、表現方法の幅も広がっていきます。
どうして表現方法(アピールともいいますが)が必要なのかというと、転職は企業によって同じ強みや弱みでも、アピールの仕方を変える必要があるからです。
- どんな強みを欲しがっているのか
- どんな弱みなら問題がないのか
- 弱みが社風に合っていた
自己分析を行うことで、相手の視点に立つことができるようになります。
そうすると、相手に合うアピールポイントが見えてきます。
これは、転職活動でのメリットです。
3: 強みと弱みの見つけ方

ここではどうやって強みと弱みを見つけるのか。
その方法を紹介します。
(1)まずは自分の経験を棚卸し
A4の紙とペンを用意しましょう。
そして、自分の経験を棚卸ししてみてください。
このとき「自分史」を作りながら行うと、時系列的に理解できますし、幼少期の夢が、今のやりたいことにつながっていた。
そんなこともわかりやすくなります。
自分史の詳しい作り方は「転職で避けられない自己分析。自分史から始めると意外に簡単!」をご覧ください。
(2)できることを書き出そう
経験を書いたら、次に「できること」を追記していきましょう。
どんな経験から、できるようになったのか。
どんなことを続けたから、できるようになったのか。
そのとき、挫折しそうになっても続けられた秘訣は。
どうやってモチベーションを保ったのか。
できることにまつわる細かなことも書き出しましょう。
(3)ストーリーを思い出そう
経験とできることが揃ったら、具体的なストーリーを思い出して書き出してみてください。
- いつ
- どこで
- 誰が
- 何を
- どうしたのか
そして、その結果はどうなったのか。
別に結果は「失敗」でも構いません。
「成功」の方が書いていて気分は良いですが、失敗したとしても、その失敗から学んだことを書きましょう。
失敗から学んだことこそ、成功につながるあなたの強みです。
4: 失敗するケース

「強みと弱み」で勘違いされることがあります。
この勘違いに気づかずにいると「だから?」という反応になります。
(1)資格を持っています
勘違いのトップです。
資格を持っていることは、確かにすばらしいことです。
しかし、資格そのものが強みなのではなく、資格を活用してどんなことを行ったのか。
実際に資格を手にしてから、行動を起こしたこと。
資格よりも実践したことが「強み」です。
(2)社内で1位に表彰されました
1位はすばらしいことです。
しかし、1位になったことが「強み」ではありません。
1位になるために、どんなことをしたのか。
1位になった経験を通して、どんなノウハウや知識をものにしたのか。
これが「強み」です。
(3)目標を達成しました
これも「社内で1位に表彰されました」と同じです。
達成したことは、当然すばらしいのですが、達成するためにどんな行動を行ったのかが大切です。
また達成したことで得たものは何か。
これが「強み」となります。
5: 弱みは強みに変えられる

人によっては「弱み」ばかりが見つかる人もいます。
「自分には強みはありません」
「弱みばかりで」
でも、働いているのなら、強みが無いという人はいません。
専門職の人や、実績や目標達成がわかりやすい人は、強みを見つけやすいです。
しかし全体を通して管理している人や、コミュニケーションを円滑にしている人は、強みを見つけにくいことが多いものです。
「弱みしかない」「強みが見つからない」
もし、あなたがそうなら、悩んでいても見つかりません。
転職のアドバイザーに相談してみてください。
きっとあなたが「当たり前」にやっていることから、あなたにしか出来ない強みの発見を手伝ってくれます。
6: まとめ
「強みと弱み」。
営業職や目標が明確な仕事をしている人は、比較的見つけやすいものです。
しかし、専門職でありながらも、あちこちの部署との連携を日常的に行っている人は、強みと言われても「わからない」ことがほとんど。
本当は「連携」していることが「強み」なのですが、本人は気づきにくいので「わからない」ままなんですね。
ぜひ、転職を考えているのなら、自己分析の基礎として「強みと弱み」を見つけてください。
この自己分析から、あなたの転職活動が始まると言ってもいいと思います。
ネットでは「自分で強みや弱みを見つける方法」という情報が溢れています。
一度そういった情報を活用して、見つけてみてもいいでしょう。
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