「自分がどんな仕事に向いているのかわからない」と思っている人は意外に多いのではないかと思います。
特に「転職しよう」と思って転職サイトに登録してみたけれど、自分が何に向いているかわからないので、どこに応募して良いのか判断できないと悩んでいる人は結構いると思います。
スカウトメールが来ても、「この会社、事業内容も良さそうだし、成長もしているし、自分のキャリアを生かせそうだけど、なんとなく違う気もするなぁ~」というぐあいに。
自分に合う仕事ってどんな仕事なのでしょうか?
自分に向いている仕事を見つける方法はあるのでしょうか?
今回はそのことについて考えてみたいと思います。
1.自分に向いている仕事とは?
自分に向いている仕事って、そもそもあるのでしょうか。
結局は経験してみないと、その仕事が自分に向いているかいないかはわかりません。それも相当な期間経験してみないと。
自分は社交的な方なので営業に向くと思ったけれどもほとんど成約に結びつけることができないとか、適性診断では営業には向かないとの結果が出ていたので営業は避けてきたけど、いざやってみたら結構自分にあっていたということもあると思います。
私は人事職の経験が合計で25年におよび、今も人材にかかわるビジネスをしていて、自分に合っている職についていると思っていますが、25年前に総務部の人事担当に異動させられた時は嫌でいやでしようがありませんでした。
男は外向きの仕事をするものと思っていたので、管理セクションの仕事は全く気が進みませんでした。
イヤイヤその仕事をしていましたが、あることをきっかけに「社員を不幸にしないように、人事の仕事を通じて会社を強くすることに貢献していきたい」という強い気持ちが芽生え、人と積極的に向き合っていくようになってからは、人とかかわる仕事は自分にとって適職だと思えるようになりました。
最初にその仕事に就いてから10年は経っていたと思います。
ですから、自分に向いている仕事かどうかはやってみないとわからないですし、それがわかるようになるまでにはかなり時間がかかるものなので、自分に向いている仕事かどうかで応募する業種や職種を決めようとするのはかなり無理があります。
経験が浅いうちは、自分が何に向いているかを見極めることはとても難しいので、自分の向き不向きで応募する仕事を判断しようとすることは基本的に行わない方がよいでしょう。
もちろん、自分に向いている仕事がはっきり分かっていて、そこでキャリアを伸ばしていきたいと考えている人は別です。
2.応募する仕事を決める方法
では、応募する仕事を決めるためにはどうしたらよいのでしょうか?
やはり、自分を振り返る、しっかりした「自己分析」が必要です。
自己分析は、自分の強み・弱みや持ち味、趣味・特技、やりたいことややりたくないこと、できることや苦手なこと、過去に褒められたことや達成できたこと、大事にしている信念や価値観などを明らかにしていきます。
そうすることで、自分は文章を書くことでほめられることが多かったなとか、「あなたと話しているとほっとする」とよく言われたとか、人より優秀だと思われたいということにこだわってきたななどのことがあらためてわかります。
自己分析で掘り出したあなたの財産をもとに、応募する仕事を決めるのがもっとも確実な方法です。
ただここで大事なのは、自己分析を自分だけでやる場合は限界があるということです。
自分だけでやる自己分析は自分から見えている部分しかわかりません。
自分からは見えていないけれども、他人からは見えているあなたの財産があります。その部分を加えられるとより良いでしょう。
あなたのことを良く知っている人であなた質問に真摯に答えてくれると思う人がいれば、率直に自分のことを聞いてみると新しい自分が発見できるかもしれません。
3.「自己分析」の結果から、どうやって応募する仕事を決めたらよいのか?
他人の意見も取り入れる「自己分析」から、自分の財産をたくさん掘り出すことができます。
それでは、その掘り出した財産をどのように使って、応募する仕事を決めたらよいのでしょうか?
一般的には、自分の強みや持ち味を活かせる仕事に就くことがよいとされていると思います。
たとえば、論理的に答えを導き出すのが得意だからコンサルタント、法律分野の知識が豊富だから法務の仕事、コミュニケーション力が高いので営業という風に強みや長所を生かせると考えていても、本人はコンサルタントは嫌いだし、法務には積極的な興味はわかないし、営業はやりたくないという場合もあるかもしれません。
ですから、あなたが応募する仕事を決めるときは、あなたの好きなこと、長い期間興味を持ち続けることができそうなワクワクすることを基準にしてください。
あなたの心の底からの「本当にやりたいこと」や「なりたい自分」を基準にして、応募する仕事を決めることが一番間違わないことになります。
あなたが好きで、本当にやりたいと思った仕事でパフォーマンスを上げるために、あなたの強みや持ち味を活用していくというのがもっとも自然な形だと思います。
それでは、自分の心の底から「本当にやりたいこと」や「なりたい自分」をどうやって見つけたらよいのでしょうか。
それはやはり自分自身に問いかけていくしかありません。
問いかけをすると、脳は自然とその答えを出そうと過去の記憶を思い出したり、新しい情報を積極的に取り入れようとしたりします。
真剣な問いであればあるほど答えに早く到達します。
「自分は本当に何をやりたいのか」「どんな自分でありたいのか」ということを自分に問い続けてください。
その出てきた答えをもとにして、応募する仕事を決めてください。
「自分が本当にやりたいこと」や「なりたい自分」を実現するのに一番良い仕事が何かイメージできないときは、いろいろな内容の仕事を知っている人材紹介会社のキャリアコンサルタントなどに相談するとよいでしょう。
「自分が本当にやりたいこと」や「なりたい自分」をから判断すると、いろいろなことがすんなり決めることができるようになりますし、仕事選びを間違わないようになります。
まとめ
私は、「社員を不幸にしないように、人事の仕事を通じて会社を強くすることに貢献していきたい」という想いから人事の仕事を通算25年も続け、「多くの人が自分を最大限に活かし、活き活きと、充実した、楽しい人生を送って欲しい」という想いから今人材育成や人材紹介の仕事をしています。
大学の時に教育を専門に勉強したわけでもありませんし、人と向き合っていくことも得意ではありませんでした。
私の想いが私をリードし、その想いを実現するための仕事をしていて、非常に大きなやりがいと充実感を得てきました。
あなたも、自分に合うか合わないかで仕事を選ぶのではなく、「自分が本当にやりたいこと」や「なりたい自分」を実現するためにはどんな仕事が良いかで判断してください。
それが一番後悔しない仕事選びの方法です。
そして、「自分が本当にやりたいこと」や「なりたい自分」を実現するためにはどんな仕事が良いかがなかなかわからないときは、経験豊富で信頼できる転職のプロをうまく活用してください。
法律の分野では弁護士を、スポーツの分野ではコーチを活用するように。
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