会社で仕事をする場合、当り前ですけれど、自分の思いどおりにならないことがたくさんあります。
その思いどおりにならないことの中でも一番つらいと感じるのは、職場での人間関係でしょう。
仕事でミスをしたことやなかなか仕事を覚えられないことなどをきっかけに、仕事を教えてもらえなくなったり、きつく当たられたり、最終的には無視されるということもあります。
また、上司の理不尽な言葉のシャワーで会社に行くことを考えただけでゆううつになるということはとてもたくさんあるでしょう。
そして、あまりはっきりした形ではないとしても、同僚の考え方や職場の雰囲気が合わないというなんとなくの居心地の悪さというマイルドなつらさもあるかもしれません。
職場の人間関係がつらい、わずらわしいという言葉はよく耳にしますし、私の知り合いははっきりと「人間があまり好きじゃない」と言っています。
人は本来社会的な生き物なので、人とつながりたい、仲良くしたい、協力して何かを成し遂げたいという本性があるはずです。
小さな子供を見ていると、すぐに子供どうし近寄って行って、遊んだりして、人間関係がわずらわしいとかつらいとかはないはずです。
なのにいつからか、人間関係がつらくなったり、人が嫌いになったりするようになります。本当はつながりたいのに。
それはたぶん、人生を歩んでいく過程で、人から傷つけられたり、悲しい思いをさせられたりして、人を信じられなくなったり、人が怖くなったりしてしまったからだと思います。
なのに職場や仕事では人と付き合っていくことが運命づけられています。組織ですからね。
そして、付き合う人を選ぶことができないというところに気の重さやつらさを感じるようになるのだと思います。
私は多くの人の仕事の状況を、根本的な方法で改善する事業を行っているので、今回のブログで、職場での一番の問題である、人間関係のつらさを何とか解消する方法についてお伝えしたいと思っていました。
ただ、このテーマについていろいろと検討する中で、「簡単なテーマではないな」と強く感じました。
「こうすれば、人間関係のつらさを解消できる」「こうすれば人間関係を改善できる」という万能ですぐに効果が出る方法というのはないように思います。
ただ、多くの人が苦しんでいる職場での人間関係のつらさを解消してあげたいという気持ちはとても強くあります。
そこで今回は、職場の人間関係を少しでも良くする、ちょっと違った切り口の方法についてお伝えしたいと思います。
少しでもヒントになれば、うれしい限りです。
1.コミュニケーション力が高いということ
人間関係のつらさを解消するためには、コミュニケーション力が高いほうがもちろん良いのでしょう。
ただ、本当にコミュニケーションが得意な人ってどれくらいいるのでしょうか。
以前メーカーで人事を担当していたとき、新卒で入社してくる新入社員の大半が自分はコミュニケーションを取るのが苦手と感じていました。
中には「私はコミュニケーションが得意です」という人もいますが、逆に本人が言うほど人とのキャッチボールがうまくなく、独りよがりのコミュニケーションになっているというケースもありました。
そういう意味では、ほとんどの人がコミュニケーションがあまりうまくいっていない、苦労しているということになると思います。
なぜなら、私たちはみな一人一人違う性格、考え方、背景を持った人間ですから、なかなか分かり合えなくて当たり前なのかもしれません。
そもそも分かり合えなくて当たり前、少しでも分かり合える部分を増やしていけたらラッキーぐらいに思っていたほうが、気が楽ですよね。
もちろん、会社の方針や上司からの仕事の指示、自分がやるべきことは正確にほぼ全部を把握しておく必要がありますが、それ以上踏み込んだ部分については、少しでもわかり合えたら大成功とよろこんでもよいのではないでしょうか。
2.自分の「軸」を持って仕事をする
自分の「軸」を持って仕事をするということが、人間関係を好転させるカギではないかと思います。
自分の「軸」とは、心の底からの「本当にやりたいこと、なりたい自分」です。
「お客様の役に立って、感謝されたい」「家族をいつも笑顔にしたい」「輝かしい人生を生きたい」「いつも堂々とした自分でいたい」など。
やはり、何か目の前の仕事を超えた目標に向かって仕事をしている人は一目置かれると思いますし、一貫性があるので周りから信頼されます。
私はあることをきっかけで、「人を大切にし、幸せにするということを追求する中で、一生成長し続けたい」という想いを持ち、そのことに集中するようになりました。
「人を大切にするってどうゆうこと」という強いテーマを持ってから、もちろん人間関係がすべてうまくいくわけではありませんが、人間関係があまりうまくいかなくても気にならなくなりましたし、人とかかわることにとても積極的になりました。
それは目指すべき大きな目標に意識が向かっているからです。
また同じような想いを持つ人たちとの交流が増えていくようになり、そこでとても安心感や満たされるような感覚を持つことができるようになりました。
色々な人と関係を結ぶのがおっくうではなく、むしろ楽しくなりました。
でも、「本当にやりたいことやなりたい自分」が分からないという方も多いと思います。
その場合には、このために仕事をしているという小さくても良いので意味を見出してみてはどうでしょうか。
周りの人が少しでもスムーズに仕事ができるように気を配ろうとか、上司から1日に1回は笑いを取ろうとか。
3.自分自身を信頼できるようになる
不完全であっても、自分のことを信頼できるようになると、他の人のことも信頼できるようになります。
自分のことを信頼できず、あきらめているような人を周りの人が信頼することはありません。
それでは、どうしたら自分で自分のことを信頼できるようになるのでしょうか?
どうしたら自分のことを完全ではないけれどよくやっているなと認められるのでしょうか?
一つには、自分の心に従って素直に行動できているかということです。
たとえば、電車で座っていて、お年寄りが駅で乗り込んできたのに一瞬の迷いで席を譲ることができなかった。
心の中では席を譲りたかったのに、恥ずかしくて一声がかけられなかった。
そんなことが続くとだんだん自己嫌悪におちいって、自分のことが認められなくなります。
ですから、心の中でやったほうがいいと思ったことはやることです。
あいさつをした方がいいと思ったら、職場でだれもあいさつをしていなくても、「おはようございます」と「お先に失礼します」は言い続ける。
ゴミが落ちていて、拾った方がいいと思ったら拾う。
言いたいことがあったら、我慢しないで言う。もちろん、言い方は丁寧に。
コツは、こうした方がいいなと思ったら、あまり考えずに実行するということです。
もう一つ、自分への信頼感を高める方法は、計画したことや自分で決めたことはやりきるということです。
先ほどのやった方がいいと思ったことをやらない、やると決めたことをやらずにそのままにしているというのは自分への不信感を高めてしまいます。
やると決めたことをなんとしてもやるということが習慣になり実行し続けていると、自分への信頼感が高まっていきます。
「よくやってるな」
でも、決めたことの全部ができるわけではないので、その場合にはなぜできなかったのか、どうしたらできるようになるのかを考えます。
ただ、がむしゃらになる必要はありません。自然体で、あきらめずに、できるかぎりのことをしようとすればいいのです。
まとめ
よく言われることですが、他人を変えることはできません。
だから、コミュニケーションは難しいのだと思います。
ただ変えることができるのは、自分だけです。
自分の考え方、想い、行動を変えていくしかありません。
まず、自分自身と向き合うところから始めてください。
自分と真摯に向き合い、なりたい自分に変わっていくことが、より良い人間関係をきずく第一歩だと思います。
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