あなたは今働いている職場で、自分が成長しているという実感がありますか?
- 毎日定型的な仕事しか指示されない
- 朝からお客様を数件訪問し、午後3時頃からは決まってカフェで時間をつぶして、夕方帰社するというパターンの繰り返し
- こうなりたいと思うような上司や先輩がおらず、モチベーションが上がってこない
- 上司は仕事の指示を出すだけで、アイデアをくれることはほとんどない
- 会社は社員の教育にお金を出すつもりがない
たしかにこんな状況だと、「この職場では成長はできない」と考えてしまうのも無理ないかもしれませんね。
ただ、この状況は自分の成長を周りにゆだねてしまっている状態です。
結局、自分を成長させるのは自分しかいません。
すべての仕事には、誰かの役に立つあるいは誰かが願っていることに対して価値を提供するという意味が必ずあります。
ですから、あなたが成長するかどうかはあなたの仕事に対する取り組み方によって決まってくるのです。
あなたが「成長するための仕事への取り組み方」についてお伝えします。
目次
1.成長するためのその1 ~本来の仕事の目的を考える~
仕事をしていても成長につながらないのは、その仕事が「作業」になっているからです。
言われたことを言われたようにやって終わらせようと知らず知らずのうちに行動してしまっているからではないでしょうか。
あまりにも多くの業務をこなさなければならなかったり、納期が迫っていたりすると起こりがちな現象ですよね。
言われたとおりに、求められた最低限の指示に従って仕事を完成させるということもよくあると思いますが、こうした取り組みだけだと残念ながらあなたの成長にはつながりません。
仕事をとおして成長していくために最も重要なことは、自分が設定した仕事であっても、誰かに指示された仕事であっても、「その仕事の本来の目的は何なのか」を考えて、仕事の完成度を高めようとすることです。
ただ、完成度を高めると言っても仕事には必ず納期や予算がありますから、その制約の中で、本来の目的を達成するためにできるかぎりのことをするということです。
たとえば、学生の皆さんもよくアルバイトをする、飲食店でのホールスタッフの仕事で考えてみましょう。
ホールスタッフの仕事というのは、お店に来たお客様から料理や飲み物の注文を取って、厨房に伝え、料理ができたらお客様のテーブルに運ぶということです。
ある大学生のアルバイトは、ホールスタッフの仕事を注文を取って、料理を運ぶだけとは考えずに、本来自分がすべきことは、お客様に何回も来店してもらうこと、ファンになってもらうことではないかと思うようになりました。
そして、そのことを目的とすると、お店に来た時にお客様に満足してもらうことが大事だということに気がつきました。
その大学生がお客様に満足してもらうために具体的にやったことは、オーダーの際にお客様にさりげなく話しかけて、苦手なものを確認したり、旬のメニューを提案してみたり、お客様に少し何かを探すようなしぐさがあったら、お箸やおしぼりを持っていったり、声をかけたりということでした。
つまり、お客様となるべくコミュニケーションを取って、お客様のニーズを捉え、それをなるべく満たしてあげるということを地道にやっていったわけです。
指示されたマニュアル通りの仕事をするのではなく、本来の目的から考えて、アルバイトであっても一歩踏み込んだサービスをしていたという話は実際にとてもたくさん聞きました。
本来の目的から考えて仕事をしようとすると、一気に仕事のレベルが上がり、アルバイトでも一流のウエイターがやっているようなサービスを提供するまでにレベルが上がっていくのです。
大学生のアルバイトがそこまで考えて仕事をしているなんて、とてもレベルの高い国だと思いますが、いかがでしょうか。
何か仕事をしていてスッキリ前に進めないときは、「この仕事の本来の目的ってなんだったっけ?」「何のためにこれをやってるんだっけ?」と考える癖をつけると目指すレベルが自然と上がり、あなたは高度な仕事やサービスができるようになり、成長していけるはずです。
自分だけで考えても本来の目的がよくわからない場合は、その仕事を指示した上司にその仕事をする理由や背景などを確認してみましょう。
その上司もよくわかっていない場合は、「目的はこういうことではないかと思うんですが、いかがですか?」と上司とディスカッションしてみると、組織全体のレベルが上がっていき、あなたが成長できる環境になっていくということにもつながります。
2.成長するためのその2 ~思いついたアイデアや工夫をやってみる~
1.の本来の目的を考えて、仕事の完成度を上げるということと似ていますが、ただ、上司やお客様から求められたことをそのまま実現するということではなく、あなたが仕事をする途中で思いついたアイデアや工夫をどんどん仕事に反映してみるということです。
もちろん、それをやることで上司やお客様が喜ぶということが前提になりますが、どんな小さなことでも自分が思いついたことをやってみるのはチャレンジですし、指示された仕事でも自分事になり、学びが始まります。
「こうしたらいいんじゃないか」と思いついたことをやってみると、「やると決める→実行→結果→気づき・学び」というサイクルが回り始めます。
やはり自分が思いついたことを実行して、誰かに喜んでもらえたり、満足してもらえたりするととてもうれしいものです。
どんなに小さなことでも構わないので、「もっとこうしたらいいんじゃないか」ということを思いついたらぜひ実行してみてください。
はじめは余計なことをして失敗したらいやだなと思うかもしれませんが、失敗したら次に生かせばいいですし、うまくいったら自分の成長が確認できますし、充実感を得られます。
失敗すると、多少怒られるようなことはあるかもしれませんが、どっちみち自分にとってはプラスということになります。
私はIT系の仕事は得意ではありませんが、以前勤めていた会社で、翌年の会社全体の人件費計画をつくるよう指示されたことがあります。
誰も教えてくれる人がいないので、いろいろなガイドブックや雑誌などで調べながら自分なりに考えて、翌年の人件費をシミュレーションできる計算表をExcelで作ったときは、とても大変でしたが、スキルもアップし、達成感もありました。
3.成長するためのその3 ~担当している業務のプロフェッショナルを目指す~
必ずしも資格とは関係ありませんが、社外でも通用するようなレベルの仕事ができるようになるということです。
社内で通用するレベルと社外で通用するレベルは全く違います。
営業であればWebマーケティングの知識を吸収するとか、エンジニアであれば常に最新の技術情報をチェックしておくとか、管理セクションの人間であれば、弁理士、税理士・会計士、社会保険労務士などの資格の勉強をするなど。
ただ、自分がその分野に興味が持てることがとても大事ですが。
プロフェッショナルになるということは、自分の課題を解決できるだけではなく、自分以外の人や会社の課題を解決できるということですから、やはり大きな成長が期待できます。
私の場合は、ビジネスコーチングのプロを目指し資格を取りましたが、人生で最も大事なことを学ばせてもらいましたし、人間としても成長できたと思います。
なぜなら、傾聴し、人を尊重するということを学んだからです。
少しは自分の器を大きくすることができたと思っています。
4.成長するためのその4 ~職場を変える~
1.本来の仕事の目的を考える、2.思いついたアイデアや工夫をやってみる、3.担当している業務のプロフェッショナルになるなどをやってみたけど、どうしても成長できるとは思えないという場合は、あなたはその仕事自体に興味が持てないのでしょう。
こういう場合は、職場を変えた方がいいかもしれません。
色々なことを試してここまでくると、あなたの中にはぼんやりかもしれませんが、自分が興味を持ち続けられそうなこと、本当にやりたいことが見えてきているはずです。
まずは社内で希望する職場に異動することができないか人事部などに打診してみましょう。
協力してくれそうな信頼できる上司がいれば、まずは上司に相談してみてもよいでしょう。
そして、社内では希望する職場に移れないことが明らかになったら、転職を視野に入れてもよいかもしれません。
ある2年目の社会人の例ですが、この男性はマーケティング調査の会社に新卒で入社しました。
マーケティング調査を行ったうえでクライアントにコンサルティングができるものと思って入社したのですが、彼が担当できるのはマーケティング調査だけで、人事部に相談してみて自分はその会社ではコンサルタントにはなれないことがはっきりしました。
そこでコンサルティング営業をしようと考え、転職を決意しました。
大学生の時に内定をもらっていた精密機械メーカーの当時の新卒採用担当者に連絡して、転職を実現することができました。
何でも言ってみるものですね。ダメで元々と考えて、ちょっとした勇気で、自分の希望が実現することもあります。
まとめ
もし今あなたが、仕事で成長を感じられないと思ったら、まずは今の職場で、1.本来の仕事の目的を考える、2.思いついたアイデアや工夫をやってみる、3.担当している業務のプロフェッショナルを目指すということをやってみてください。
それを続けてもどうしても成長実感がわかない場合は、社内異動や転職を考えてください。
転職をする場合は、くれぐれも自分が本当にやりたいことを軸に、それができる会社を慎重に選んでください。
転職しようとする会社の企業理念や事業内容があなたのやりたいことと方向性が一致しているかをしっかり見極めてください。
あなたの成長のサイクルが回り出すことを祈っています。
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