あなたは今、転職しようか、どうしようか迷っているところかもしれませんね。
迷うのはとても当り前のことなので、心配いりません。
何らかの理由で転職を意識していても、会社が倒産しそうだとか、パワハラがひどくて絶え入られないなど、追い詰められた状態でなければ、そう簡単に転職しようとはなかなか考えられないものです。
今の会社の状況が変わるのなら、できれば居続けたいとも思うし、でも次のような不満やストレスもあって、やはり転職した方がいいのかなと迷ってしまいます。
- 会社の業績が思わしくなく、給与水準が低い
- やりたいと思っていたことが今の会社ではできない
- 今の仕事では充実感がなかなか感じられない
- 成長できる環境がない
- 人間関係がしっくりいかない
転職することがポジティブで、転職しないで今の会社に止まることがネガティブということはありません。
もちろん、ケースバイケースです。
ただ、転職しようか、どうしようかと迷っている状態は結構つらいものです。
この状態をスッキリさせるには、今自分は「転職した方がよい」のか、「転職しない方がよいのか」をはっきりさせて、自分が進む方向性を決めることです。
転職コンサルタントを対象とした調査で、転職の面接相談に来た人の3人に1人は「転職すべきではない人」という結果が出ています。
「転職した方がよい人」とはどんな人なのか、今は「転職しない方がよい人」とはどんな人なのかを明らかにして、それぞれが取り組んだ方がよいことをお伝えします。
1.「転職した方がよい人」とは?
「転職した方がよい人」とは、転職する準備がある程度整っていて、転職活動に進んでも、良い転職ができる可能性が高い人ということができます。
具体的には下記のような人のことを言います。
- やりたいことがはっきりしていて、今の会社ではそれが達成できないことが明らかな人
- 転職をとおしてどういうことを実現したいかはっきりしている人
- 客観的な自己認識ができている人(いわゆる自己分析ができている人)
- 現職では成長したり、スキルアップしたりする可能性がほとんどない人
- 仕事を通じた経験・業績・スキルなどについてある程度自信を持って語れる人
- 年収などの処遇が市場と比べてあきらかに低い人
- 会社の業績が悪く、近い将来経営危機に見舞われる可能性が高い人
- 過重労働やパワハラなど、現職で勤務を続けると体調を壊す可能性がある人
やはりいろいろなことを判断する「軸」がしっかりしていて、転職する理由も明確で、語ることができる実績もあるという人です。
こういう方なら、自分に合った応募先を判断できますし、職務経歴書や面接で自分をアピールすることができますし、内定が出たときもより正しい判断ができ、望む結果を得やすくなります。
ただ⑦⑧の人は、緊急避難的要素が高いので、すぐに転職活動を始めることをお勧めします。
2.「転職しない方がよい人」とは?
「転職しない方がよい人」とは、今はまだ経験・業績・スキルが不十分で、転職活動をしてもうまくいかない可能性が高い人ということができます。
具体的には、下記のような人のことを言います。
- 自分がやりたいことがあまり明確になっていない人
- 転職する動機があいまいな人
- 客観的な自己認識ができていない人
- 自信を持って語れる仕事上の経験・業績・スキルなどをまだほとんど持っていない人
- 自分を客観的に評価できず、年収等の処遇を高望みしている人
結局、採用担当者や面接官は、応募してきた人材が「何をしたいのか」そして「何ができるのか」で判断しているので、上記のような人はとらえどころがなく、採用できないということになってしまいます。
上記のような状態の人は、転職活動をしても残念ながら決まらないということになってしまいます。
3.「転職した方がよい人」がやっておくべき3つのこと
「転職した方がよい人」が転職に向けてやっておくべきことは、下記の3つです。
- しっかりした自己分析
- 「本当にやりたいこと、なりたい自分」を明確にする
- 自分の実績を、PDCLのフレームで語れるようにする
まずやっておいた方がよいことは、他人の目も入れた、「しっかりした自己分析」です。この他人の目も入れたというのがポイントです。
自己分析では、自分の強みやアピールすべきポイント、自分が大事にしている価値観などを明確にすることが目的になります。
実は人間は必ずしも自分のことがよくわかっていません。特に周りから見ると本人の強みなのに、自分では当たり前のことと思って気づいていないケースが結構あります。
ですから自分の強みや持ち味について、あなたのことを知っている人に、理由も含めて率直に聞いてみるとよいと思います。
また、あなたの強みや持ち味を見つけて正しい表現をアドバイスしてくれる、人材紹介会社の人材コンサルタントやキャリアアドバイザーに指摘してもらうのもよいでしょう。ここに、転職サイトだけではなく、人材紹介会社を利用する大きなメリットがあります。
「転職した方がよい人」が次にやるべきことは、心の底から「本当にやりたいこと、なりたい自分」を明確にしておくことです。
これが明確になることによって、自分が転職をとおしてどういうことを実現したいかがさらに明確になります。
普段から自分を見つめ、意識の高い方であっても、自分の心の底から「本当にやりたいこと、なりたい自分」が明確にわかっていないことがよくあります。 ですから、心の底の深い願いを引出すことができる、人材コンサルタント、キャリアアドバイザー、ビジネスコーチなどとよく対話することがとても重要です。
そして、面接対策としてやっておくべきこととしては、自分が高い業績を上げたり、ものすごく集中して取り組んだりした仕事のエピソードについて、簡潔にPDCLのフレームで語れるようにすることです。
あるプロジェクトやタスクについて、どんな目標やゴールを設定し(PLAN)、その達成のためにどのように行動や工夫をし(DO)、どんな結果を得て(CHECK)、そこからどんなことを学び(LEARNING)、その学びを次に活かせたか(PLAN)というように話せるように準備してください。
企業は結局、成果を繰り返し上げることができる人材、つまりPDCLサイクルを自分で回すことができる人を求めているので、そのことを事例をとおして伝えられるようにしておいてください。
4.「転職しない方がよい人」がやっておくべき3つのこと
「転職しない方がよい人」がまずやっておいた方がいいことは、下記の3つです。
- 「しっかりした自己分析」
- 今の仕事で実績をつくる
- 現在の不満やストレスの解消を図る
自分に強みがあるのか、弱みは何なのか、世の中に通用するものはあるのか、そして今後興味を持ち続けられる伸ばすべきスキルは何かを「自己分析」をとおして明らかにします。
そのスキルを伸ばすためにはどんな経験を積み、どんな業績を上げたいかなどを考え、今の仕事の中で実行します。
そして、企業はPDCLサイクルを自分で回せる人材を求めているので、業績を上げようとする中で、目標とアクションプランを設定し、工夫をしながら行動し、結果を振り返って、そこから学ぶということを繰り返して、自信を持って語れるエピソードをできるだけつくるようにしてください。
また、現在の仕事の何に対して不満であったり、ストレスを感じたりするのか改めて考えてください。
もしそれが、自分の努力で改善できる可能性があればその改善を試みてください。
たとえば、人間関係がストレスになっていたとしたら、どうしたら人間関係が改善できるかを考えて、いろいろな方法を実行してみてください。
そうこうしているうちに、仕事に充実感が出てきて、転職する必要がなくなるかもしれません。
また、いろいろなことをやってみて人に語れる実績ができてきたけれども、どうしても不満が解消されない場合は、転職に踏み出してもよいかもしれません。
まとめ
完ぺきな会社はありませんので、今企業で働いている人は何らかの不満やストレスを抱えていて、その度合いも様々です。
そして、他の会社でも通用する経験・業績・スキルがあるかどうかも人それぞれです。
もう転職するとはっきり決めている人はそのまま突っ走ってよいと思いますが、もし迷っているのであれば、自分の状況を話して誰かに意見をもらうとよいと思います。
真摯に話を聞いてくれる友人や知り合いがいればその方に一度話してみるとよいでしょう。
そして、ぜひ転職のプロ、人材コンサルタントやキャリアアドバイザーのカウンセリングを受けてみてください。
時期尚早であれば、そう言ってくれるはずです。
ただし、何人かのカウンセリングを受けて、信頼できる人の言葉を参考にしてください。
繰り返しになりますが、人は迷って中途半端な状態の時が結構つらいですが、自分が進むべき方向が定まると、案外気持ちがすっきりするものです。
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