長時間労働、どれくらいだったら転職を考えるべきか?

「働き方改革」が声高に叫ばれるようになり、どの企業でも無視できない流れになってきています。

 

「働き方改革」を推進する日本政府の思いは、長時間労働が当り前という日本の常識を変えて労働時間を少なくし、空いた時間で自己研鑽や消費を高めてもらい、日本社会全体で生産性を上げていきたいということではないかと思います。

 

実際、労働時間を少なくすることで生産性が上がったという企業の報告も増えてきていますよね。

 

ただ、社員が長時間働かないと売り上げが下がってしまうと考える経営者も多く、長時間労働は仕方がないことと放置されている企業もまだまだ多いのではないかと思います。

 

自分の身体や将来を考えた場合、今の会社での残業時間がどれくらいであれば許容範囲で、どれくらいの時間以上だとNGなのでしょうか?

 

長期的に働くことを考えた場合の残業時間の目安について、考えていきたいと思います。

 

1.長時間労働によるリスク

 

①身体へのリスク

 

これまでの研究で、週60時間以上の労働は、心筋梗塞の発症率を2.4倍上昇させ、15時間以下の睡眠は、脳・心臓疾患の発症を1.83.2倍に高めるということが分かっています。

 

つまり、疲労や睡眠不足は、心臓や脳の血管に負担をかけ、突然死のリスクを高めることになります。

 

60時間の労働というと、一週間の残業時間が20時間ですから1カ月に80時間以上の残業ということになります。

 

1カ月に80時間以上の残業を常にしているような場合は、爆弾を抱えながら仕事をしているようなものですから、そういう状態を放置している会社は残念ながら完全にNGということになります。

 

②メンタル面でのリスク

 

長時間労働が続くと、当然睡眠不足になる訳ですが、睡眠不足はネガティブな思考を強め、仕事の処理能力を低下させることが分かっています。

 

そこに、疲労やストレスの蓄積、仕事の質や量の変化、対人関係のトラブルなどが重なった場合は、うつ病や不安障害を発症するリスクが高まると言われています。

 

英国公務員の追跡調査をしたフィンランドの研究者らによる研究成果によると、111時間以上あるいは週当たり55時間以上の長時間労働をしていた労働者は、56年後のうつ病発症リスクが高まることを示しています。

 

900から働く会社であれば、2100以降働く人はうつを発症する可能性が高いと言えます。

 

③生産性面のリスク

 

仕事の生産性に関しては集中力の発揮度合いが大きく関係してきますが、北里大学の島津明人教授によると、人間の脳が集中力を発揮できるのは、朝目覚めてから13時間以内であって、起床から15時間を過ぎた脳は、酒酔い運転と同じくらいの集中力しか保てないそうです。

 

もし朝600に起床したとしたら、1900を過ぎると集中力が急激に低下し、2100以降はお酒を飲みながら仕事をしていることと同じということになります。

 

だとすると、多くの人が600ごろ起床すると仮定した場合、2000以降の仕事は本人にとっても非効率ですし、企業にとっても残業代を払うのは損な仕事の質ということになります。

 

朝方勤務の導入で話題になった伊藤忠商事は、2000退社を推奨していますが、もちろん起床する時間にもよりますが、結構理にかなっている取り組みかもしれませんね。

 

2.許容できる残業時間の上限は何時間か?

 

集中力が高く、生産性の高い仕事をするためには、睡眠時間と起床してからの時間が大きく関係していることがわかりました。

 

それでは、私たちはどれくらいの睡眠時間を確保したらよいのでしょうか?

 

①適切な睡眠時間は何時間?

 

人間や動物がなぜ眠るのかということについては必ずしもすべて解明されているわけではないようですが、基本的には身体を疲労から回復させるということと脳の情報処理に関係しているようです。

 

個人差はあると思いますが、いわゆる生まれつき短時間しか寝なくてOKな「ショートスリーパー」というタイプを除いて、疲労が蓄積しないためには7時間の睡眠が必要と言われています。

 

日本政府の過労死の認定基準でも、一か月の残業時間が40時間以下であれば、過労死と労働の関係は薄いとみなしています。

 

この40時間というのは、7時間の睡眠が確保できる残業時間ということで、導き出されています。

 

また、脳の情報処理については、寝ることによって情報を遮断し、その日に五感から得たすべての情報について長期記憶として残す大切な情報と残さない情報に分けているのだそうです。

 

その処理にかかる時間が6時間。

 

ですから、もし6時間の睡眠がとれないとすると、長期記憶に残した方がいい大切な情報が仕分けできず消去されてしまうことになり、生産性が落ちてしまうことになります。

 

つまり、生産性の高い仕事をしようと思ったら、人間は最低6時間から7時間は眠る必要があるということになります。

 

②許容できる残業時間の上限は何時間か?

 

人間は最低67時間の睡眠を確保するということから逆算すると許容できる残業時間が算出できます。

 

政府の見解で7時間の睡眠を確保するためには、残業は40時間までということでしたから、もし睡眠時間をそれよりも短い脳が情報を処理できる最低時間である6時間とすると、1カ月の残業時間は約60時間ということになります。

 

60時間というと、一日に約3時間の残業ということになり、900はじまりの会社であれば2100まで働くことになりますから、うつを発症する可能性が高まりますし、もう酔っぱらって仕事をしているような状態に入っています。

 

そういうことから考えると、毎月50時間以上の残業が続いていて、会社としてもその対策に手を付ける様子がないという状況であれば、職場を変えることを検討しても良いのではないかと思います。

 

まとめ

 

年配の方と話をすると、自分の若いころは月に200時間ぐらい残業をしていて、苦にならなかったというようなお話をされる方が結構いらっしゃいます。

 

たしかにそのがんばりによって日本が発展し、現在の繁栄があるのですから大変頭が下がる思いですが、やはりそれを今の日本の状況に当てはめてはいけないのではないかと思います。

 

そのころには、企業理念、顧客満足、社会貢献、マーケティング、コンプライアンスなどの言葉もあまり気にする必要はありませんでしたし、ITもこれほど普及はしていませんでしたし、モノが今のように苦労しなくても売れていた時代で、かなり今と仕事の密度や質的な負荷が違うのではないかと思います。

 

1カ月の残業時間は40時間以下に、多くても50時間以下にすることが、社員にとっても、企業にとっても生産性が高く、無駄な仕事をせずにすみ、企業も無駄なお金を払わなくてもよいことになります。

 

私たちの身体は、この世の中という海を渡っていく船です。

 

その船を傷めないように、効率的に航行させることはとても大事なことです。

 

特に長い航海をしようと思えば思うほどに。

 

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