会社、部や課、何かの団体、スポーツチームやコミュニティーなど、自分が所属しているあるいはリーダーをしている組織が何となく沈滞している。
表面的にはみんな活動しているけれど、全体的にモチベーションがあまり高くない。
そこに所属していたり、参加したりしていても、楽しさが無い。
そんなことってありませんか?
やはり組織が活気ある状態じゃないとやる気がでないし、人も集まってきませんよね。
そんな状況を何とかしたい!でもどうやって?という時があると思います。
今回はそんな組織を活性化する際のヒントをお伝えしたいと思います。
目次
1.ある大学のサークルのリーダーの話
彼は、大学の野球サークルのリーダーをしていました。
小さいころからムードメーカーで、人が集まる場を盛り上げるのが何よりも大事と考えるタイプです。
ただ、自分が主催している野球サークルが何となく沈滞している。
練習に出てくるメンバーもあまり多くないし、活気がない。
彼にとっては放っておけない状態で、何とか活気のあるサークルにしたい!と強く思うようになりました。
そこで彼がとった行動は、サークルのメンバー全員と一対一で話すことでした。
現状についてどう思うか、サークルに対してどんなことを望んでいるのかを一人一人に聞いていきました。
そして、メンバー全員のヒアリングを終えてわかったことは、練習もしっかりやって大会で勝ちたいというメンバーと楽しんで野球をやれればいいやというメンバーと大きく二つのグループに分かれるということでした。
そこで彼は、大会で勝つことを目的とした練習する日と楽しんで野球をする日を決めて練習にメリハリを持たせ、またみんながもっとコミュニケーションが取れるように、合宿や定期的な飲み会などを企画して実施していきました。
そうしたら、練習に参加する人数も徐々に増えていき、サークルに活気が出てきました。
人も自然と集まってくるようになり、その大学でも1、2を争う人数の多いサークルになりました。
これは、私が新卒採用の面接で、当時大学生だった彼から聞いた話です。
面接の最後に、「このサークルでの経験から気づいたことは何ですか?」と私が聞くと、彼は「自分が独りよがりだったことがわかりました。リーダーとして、強いリーダーシップを発揮しないといけないと思い込んで、メンバーのニーズとは違うことを押し付けていました。これからは、周りの想いを組み入れながら、リーダーシップを発揮していきたいと思います。」と言う答えが返ってきました。
彼のサークル活性化へのすばらしい取り組みや気づいたことを垣間見て、思わず「自分なんかよりも彼の方がマネジャーになった方がいいよな」と心の中で思ったのを覚えています。
2.組織を活性化するポイント
このサークルの代表であった大学生の例も参考にしながら、組織を活性化したいと思った時にどのように取り組んでいったらよいか、そのポイントをお伝えします。
【ポイント1】リーダーが独りよがりにならない
第一のポイントは、リーダーがあまり強いリーダーシップを発揮しようと意気込まないことです。
結局組織は、メンバーの力や意欲をいかに引き出すかが一番重要です。
リーダーが頑張れば頑張るほど、メンバーとの距離ができて、メンバーの温度が下がっていく場合が多いです。
危機的な状況でない限り、強いリーダーシップは組織の活性化という点では逆効果になってしまいます。
【ポイント2】メンバーの状況や望んでいることを把握する
第2のポイントは【ポイント1】とも関係しますが、メンバーの状況や望んでいることなどをありのままに、謙虚に理解しようとするということです。
やはり、メンバーの望んでいることやニーズを大事にしなければ、組織の活性化はありません。
メンバー全員からざっくばらんに話を聞くのが基本だと思います。
【ポイント3】組織の目的を明確にする
メンバー全員の状況や望んでいることが把握できたら、その組織を活性化することに意識が高そうなメンバーをピックアップして、自分たちの組織が目指す方向または目的を明確にします。
最初は組織の目指す方向についてざっくばらんに何回か話していきながら、納得感のある目的やビジョンにしていきます。
そして、目的やビジョンが決まったら、メンバー全員で共有しましょう。
【ポイント4】組織の活性化策を実施する
メンバーの状況や望むことと組織の目的・ビジョンが明確になったら、そのメンバーが望んでいることと組織の目的の両方がうまく実現するような組織活性化策を考えます。
これはアイデアの出しどころですし、メンバーの望みも尊重し、組織の目的も尊重する方法を考えるので、誰もが期待を持ち、楽しい作業になるはずです。
組織と人が、どちらが重要ということでは無く、どちらも活かすということです。
【ポイント5】組織活性化策を定期的に効果測定する
会社組織などであれば、組織診断ツールなども使って定期的に組織の活性化の度合いについて検証し、次へのアクションを起こしていくPDCLサイクルが回るように最初からデザインしておくとよいでしょう。
⇒ブログ「仕事ができる人の秘密。アクションプランとPDCA、PDCLを活用する方法とは」
それ以外の組織では、メンバーの雰囲気、組織のパフォーマンス、人数の増減などをしっかりとらえ、常にウォッチして改善策を繰り出していくことがとても大事です。
まとめ
組織の活性化で大事なことは、組織の目的と組織のメンバーの望んでいることのどちらも尊重して、統合するということです。
この統合が実現し、それに見合った取り組みがなされていくと、メンバーがだんだん生き生きとしてきますし、組織に活気が出てきて、人も集まってくるようになり、組織が目的としていることが実現しやすくなるということになります。
誰かが我慢するのではなく、難しいですけれども「すべてを活かすにはどうしたらよいのか」という発想がとても大事ですね。
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