プロジェクトに参加すると、進捗を確認するために
- いつまでに
- なにを
- 誰が
- どうするのか
この4点をマネージャーは常に意識しています。
もし、進捗が思わしくないのなら、
- どこで停滞しているのか
- なにが原因で停滞しているのか
そして、これが最も重要なのですが、
- いつから停滞しているのか
を感覚や経験からくる勘ではなく、計画と事実を比較分析することで、その後の対応策を決めていきます。
しかし、このような方法をマネージャーが行うためには、あらかじめ「プラン(計画)」を立てておかなければいけません。
もしプランが曖昧なままだったとしたら、プロジェクトが崩壊することは、あなたなら想像できると思います。
さて、このような仕事でのプロジェクトと同じように、人もプランを立てておかなければ、向かうところがわからないまま右往左往してしまいます。
将来の自分が理想とする状態はどんな風なのか。
自分が理想とする働き方は?
5年後、10年後にどうなっていたいのか。
今、あなたは具体的に理想の未来像を描けているでしょうか?
今回は、あなたの将来を理想の状態へ導くために必須である「アクションプラン」についてお話してきたいと思います。
この話が、あなたの人生のお役に立てれば幸いです。
目次
1: アクションプランとは

先ほども少しお話しましたが、アクションプランについてもう少し詳しくお話しておきます。
1.1: アクションプランとは何なのか
仕事上のアクションプランというと「事業計画」や「プロジェクト計画」といったことがイメージできると思います。
しかし、今回お話するのは「あなたの人生」についてのアクションプランです。
ということは、この場合のアクションプランとは、あなたの理想の人生を手に入れるための「行動計画」ということができるでしょう。
理想の人生を描き、その目標を達成するための行動を具体化する。
そして、目標を達成するために「いつまでに」「何を」「誰が」「どうやって」やるのかを決め、進捗の具合を視覚的に把握できるようにする。
「今、自分の向かっている方向は正しいのか」
「今、自分は目標に対してどの辺りにいるのか」
「これまで自分は、どれだけのことを成し遂げてきたのか」
これらのことを明確化し、あなたの感覚や思い込みではない具体的な結果を元に判断し、迷いなく進んでいくための「あなた専用のマップ」がアクションプランです。
1.2: なんのためにアクションプランを立てるのか
先ほども少し関連して出てきましたが、アクションプランを立てる理由は、
『毎日何をやるかが分かる』
これが、アクションプランを立てる一番の目的となるでしょう。
あなたも経験があると思いますが、朝起きて会社へ行って自分の机に座ったとき
「さぁ、今日は何からやろうかな」
と考えていることはありませんか?
そして、5分、10分、1時間と時間が経ち、気がつくと「考えているだけ」だった。
ということもあると思います。
これは前もって「やること」が決まっていないから、考えて迷うのですよね。
「あれをやろうか、いや、これを先に、、、いやいや、実は締め切りが」なんていうことを脳の中でやりとりし、貴重な時間を浪費してしまっているのです。
でも、机に向かう前に今日やることが決まっていたら。
おそらくあなたは、考えたり迷ったりすることはありませんよね。
浪費していた時間を有効に活用できるはずです。
これと同じで、自分の理想の人生に向けて歩もうと思っても、毎日その目標に向かって歩むことを「考え」ていては、考えるだけで貴重な時間を浪費してしまいます。
また、目標までの道筋がわかっていないので「今やることではない」ことに注力してしまうかもしれません。
このような効率的ではないことを極力やらずに、最短の道のりで理想の目標へ向かうために、アクションプランを立てることは必要となるのです。
2: アクションプランを立てる順序

それでは、ここではアクションプランを立てる順序をお話します。
アクションプランを立てる順序を間違うと、理想の目標へ向かうことができなくなります。
また、気づかないうちに行動できなくなりますから、ぜひ順序を覚えておいてください。
2.1: ゴールを確認
まず大切なことは、ゴールを明確にします。
アクションプランは「ゴール」に合わせて、現在の行動を変えることでもあります。
ですから「必ず達成させるぞ!」という強い意志で、ゴールを確認してください。
2.2: ゴールに向かう行動
ゴールを確認したら、ゴールを達成するための行動(アクション)をリストアップします。
今日、この瞬間からできるような行動を、細かく具体的にリストアップしてください。
100個でも200個でもいいです。
このとき、ゴールである理想の状態をイメージしてくださいね。
そのゴールから逆算して、
- こんな行動が必要だな
- ここで資格が必要だ
- ということは、この辺りで勉強を始めて
- だったら、今日は書店へ資格の情報を集めに行こう
というように、行動を順に洗い出していきましょう。
2.3: 行動をグループ化
行動がリストアップされたら、ザッと眺めてみてください。
- 行動の関係性
- 優先順位
- 費用
そして、本当に行動できるのか。
これらを整理して行動をグループ化し、大まかな流れを出しましょう。
2.4: 行動を最適化
大まかなゴールへ向かった行動の流れができていると思います。
ここで、再度眺めてみます。
そして、効率化できそうなところを見つけましょう。
順序を入れ替えると、ここで勉強したことが、こちらの資格で活かせるとか、この行動は時期的に無理かもとか、出来ない理由を先に潰しておくことも必要です。
この最適化は出来ることよりも、出来ないことや、行動のボトルネックになることを見つけ出し、効率的な方法を見つける役割もあります。
人の脳は常に「やらない」理由を探しています。
脳にとって、新しいことや変化は「ストレス」です。
動物の生存という視点から見ても、変化は大きな負担でしょう。
このような、進化の中で根付いた脳の癖に負けないためにも、行動の最適化を行い「やらない」言い訳を先に潰しておくことは、あなたが理想の状態へ向かうために重要なことなのです。
2.5: 実践する人、チェックする人
仕事のアクションプランなら、実践する人は様々です。
しかし、あなたの人生のアクションプランでは、実践する人は「あなた」です。
まれに、あなたの家族や信頼できる友人が登場することもあるでしょう。
しかし、基本は「あなた」が実践する人であることに変わりはありません。
では、チェックする人は誰でしょうか?
これは「あなた」の場合もあります。
家族の場合もあるかもしれませんね。
でも、どうしても自分自身や家族がチェックする人となると、、、。
わかりますか?
ゴールに向かってやり続けることが簡単ではなくなります。
そこで、外部の人を「チェックする人」として活用することを考えてください。
あなたのゴールを理解し、批判せず、喜んで応援してくれる人。
こんな人と一緒にアクションプランを立て、チェックすることがいいですね。
もしかすると、あなたの会社の上司に居るかもしれませんよね?
先輩かもしれません。
パートナーかもしれません。
私のような「自立型人材」を育成している、人材開発のプロがお役に立てるかもしれません。
どちらにしても「実践する人」は「あなた」自身。
そして「チェックする人」は、あなたが信頼できる人。
この両輪を揃い同時に回ることが、あなたがゴールへ近づく秘訣となります。
3: アクションプランで注意すること

アクションプランを立てるときに注意することがあります。
それは、ゴールに関わること。
すなわち、
- ゴールが実現不可能なもの
- ゴールが具体的でない
- 今の自分が抱えている問題の裏返しをゴールにしている
このようなことがあります。
どれも、正しい目標設定になることはありませんよね?
- 最初から自分には出来ないと思っていること
- 達成出来ても出来なくてもどちらでもいい
- 問題の裏返しは、ほとんどの場合「やりたくない」こと
これでは、ゴールに向かって継続してやり続けることができません。
ということは、行動にならないということです。
ゴールへたどり着く前に、行動を止める(やめる)のが人の心理でしょう。
あなたの頭の中は、誰にも覗かれることはありません。
ですから、あなたの理想はカッコつけたことや、誰もが感心するようなことでなくていいのです。
あなたが本心から手に入れたい理想の状態をゴールとすることが大事です。
そして、本心から出た理想のゴールは、あなたが実現可能なゴールだということに間違いありません。
4: アクションプランの基本「PDCA」

それでは、この記事をお読みのあなたなら、お聞きになられたこともある「PDCA」について少しお話しておきたいと思います。
PDCAはアクションプランと対で登場することの多い言葉です。
PDCAの流れを取り入れることで、常にゴールへの計画が実行できるため、よりアクションプランの実行力が高まります。
4.1: PDCAとは
「PDCAを回す」と表現されるように、それぞれのポイントを順番に回していきます
[Plan=計画]
アクションプランのゴールよりも、もっと小さく小さくした計画です。
例えば、今日仕事の帰りに書店へ資格について調べに行こうと思った場合。
- 何をするのか:資格についての調査
- 誰にするのか:駅前の書店
- なぜするのか:スキルアップのため
- どのくらい :30分
- いつまでに :今日の帰宅途中
というように、小さな目標を計画します。
[Do=実行]
計画を元に実行します。
実行した結果は必ずメモしておくことで、後で再評価ができます。
[Check=評価]
計画に沿った実行が出来たのかを検証してください。
実行した結果は良かったのか、そうでもなかったのか。
実行でメモした内容から、時間など具体的な数字も評価しましょう。
[Act=改善]
検証でわかったことから、課題の解決を考えます。
実行した結果、このままの計画で良いのかどうかを判断することも忘れずに。
次の計画(Plan)につなげて考えるのがポイントです。
4.2: PDCAを回すコツ
これは小さなサイクルを回すPDCAでも、アクションプランでも同じです。
もっとも大切なことは「目的と目標」の明確化です。
「なぜやるのか」「何のためにやっているのか」が大事だということです。
目的と目標を失うことは、何のナビゲートもなく歩き回っているだけの状態。
もしくは、ただ立ち尽くしている状態かもしれません。
小さなサイクルを回すPDCAも、ひとつひとつの計画に対する目的と目標を明確に設定することが、人が一番好きではない「行動」へつなげることができるコツと言えるでしょう。
4.3: PDCAが回らないときのポイント
どうしてもPDCAが回らない。
そんなときにありがちなポイントを紹介しておきます。
(1)願望で実行している
計画(Plan)に移るとき「願望」で計画していることはありませんか?
願望で立てた計画を実行(Do)しても、期待に合わないことが多いです。
実行した結果をチェックした計画を考えてみてください。
(2)改善が早すぎ
同時にいろいろなところを改善した結果、どの原因で上手く行ったのか、または、行かなかったのかが分からないこともあります。
確かにどんなこともやってみないと分かりませんが、複雑な改善を同時に行うと成功のノウハウになりにくく、次へ活かすことができなくなります。
(3)計画が実行されない
よくある典型ですね。
一般的には「計画倒れ」と呼ばれる状態です。
計画と分析に時間を使って、実行に移さないという状態です。
これは本当に多い状態です。
人は基本的に「変化」を求めていません。
今までと違うことをするのは、大変なストレスが発生します。
まして、習慣化しようとすることは、脳にとっては「やりたくない」ことの一位でしょう。
少しずつでもいいです。
間違ってもいいです。
理想のゴールへ向かうということは、今までとは違うことをするのですから、出来なくて当たり前です。
わからなくて当たり前です。
毎日少しずつ「脳をだます」つもりで楽しむことが大切ですね。
5: 一歩進んだ「PDCL」とは

「PDCA」についてお話させていただきました。
そして、ここでは「PDCA」を一歩進めて「PDCL」という考え方を紹介したいと思います。
「PDCL」という言葉は、まだ一般的ではないかもしれません。
もしかすると、初めて聞かれたかもしれませんね。
「PDCL」とは
[Plan=計画]
[Do=実行]
[Check=評価]
[Learn=学ぶ]
という考え方です。
「Check=評価」の後、評価の結果をちゃんと学ぶことに意味があるということです。
人は評価したことで満足して、すぐに改善してしまいがちですが、一度足を止めて「なぜ、そう評価されたのか」を学ぶ。
そして、学んだことをベースにして「Plan=計画」を立てる。
こういうサイクルこそが、これから使われていくべきものだと思っています。
6: まとめ
あなたが理想の生活を手に入れるためには、早い時点でプランを具体化することが必要です。
そしてプランは立てただけではなく、実際に行動を起こしチェックすることで、あなたが理想とする人生に向かって加速度的に物事が進んで行くことでしょう。
口では大きな理想を語る人がいます。
いつまで経っても理想へ近づけない人がいます。
その理由の大きな原因は、具体的なプランがないから。
人は目標がなければ、行動を起こすことができません。
また、
多くの人は理想の状態になりたいと思っても、簡単には変われません。
いつもの会社の同僚と一緒にいるだけでは、簡単には変われません。
あなたが理想の状態へ変わりたいなら、自分が付き合う人を変える必要があります。
「誰と一緒にいるのか」。
この「誰」とは、あなたが理想の状態へ向かうことを、心から応援してくれる人でなくてはいけません。
そして、適切なポイントで、あなたが理想の状態へ向かうことを心から喜び、応援してくれる人から「チェック」を受けることは、より大きな学びと次のレベルへステップアップするヒントを与えてくれることでしょう。
ぜひ「アクションプラン」を立て、あなたが理想の状態へ向かうために付き合うべき人と出会えることを心から願っています。
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